お家で使う天ぷら油がトラックを動かす!?バイオ燃料でカーボンニュートラル!
お昼に作った天ぷらすごくおいしかった♪天ぷらに使った油がたくさんあるけど、これはもう捨てるしかないかな。
ちょっと待つのじゃ。捨てるなんてもったいない!使い終わった天ぷら油は、バイオ燃料という新しいエネルギーに生まれ変わることができるんじゃ。

天ぷら油が、バイオ燃料に生まれ変わると知ったにーこちゃん。博士によると、バイオ燃料はカーボンニュートラルにもつながっているんだって!でも、どうして天ぷら油がバイオ燃料に変わるとカーボンニュートラルにつながるのかな?そもそもバイオ燃料って一体なんだろう?
天ぷら油を集める取り組みを行っている熊本管工建設株式会社の小山璃子さんと柳瀬智貴さんにくわしく話を聞いてみたよ。
どうして食用油を集めているの?
お昼に使った天ぷら油を持ってきたよ。でも、どうして油を集めようと思ったの?

私たちは、会社の仲間たちと一緒にカーボンニュートラルに取り組んでいるの。 自分たちにできることはないかと調べていたときに、天ぷら油をバイオ燃料というエネルギー資源にリサイクルできることを知って、やってみようと思ったんだよ。

集めた油はどうするの?

天ぷら油から「バイオ燃料」と呼ばれる新しいエネルギーを作っている「熊本いいくに県民発電所」に持っていくんだよ。その油から生まれたバイオ燃料を、工事の現場などで使うトラックや建設機械を動かすために必要な軽油の代わりに使っているんだよ。
捨てられる天ぷら油をリサイクルしているんだね。でもバイオ燃料っていったいどんなものなの?

動物のふんや、大豆やひまわり、菜の花、米などの植物が持つエネルギーを使った燃料のことだよ。実は、天ぷらや唐揚げに使う油は、大豆やひまわり、菜の花、米などの植物からできているんだ。だから天ぷら油から「バイオ燃料」を作ることができるんだよ。
バイオ燃料は、どうしてカーボンニュートラルにつながるの?
天ぷら油からバイオ燃料を作ることがカーボンニュートラルにつながるのはなぜなの?

実は、バイオ燃料を使ってトラックを走らせると、ガソリンや軽油を使った時と同じように二酸化炭素が発生するんだ。
でも、ガソリンや軽油とちがって、バイオ燃料の元である天ぷら油の材料は植物なんだ。植物は光合成することで空気中の二酸化炭素を吸って成長する。燃料に生まれ変わった後燃える際に二酸化炭素が発生しても、それは植物が成長する時に空気中の二酸化炭素を吸いとったものなので、プラスマイナスゼロということなんだ。つまりバイオ燃料を使っても、二酸化炭素が大気中に増えることがない仕組みになっているんだよ。

二酸化炭素が増えない地球にやさしい燃料なんだね!
熊本管工建設では、どれくらいの量の油を集めているの?あと、どれくらいバイオ燃料を使っているの?

2023年度は、27リットルの油を集めたんだ。あと「熊本いいくに県民発電所」から580リットルのバイオ燃料を買って、トラックなどに使ったよ。油を集めたことで50キログラム、バイオ燃料の使用で1.5トン、それぞれ二酸化炭素を減らすことに役立ったんだ。
ほかにもいいことはあるの?
天ぷら油からバイオ燃料を作ることで、ほかにいいことはないのかな?

もちろん!いいことは2つあるよ。一つ目は、使い終わった油は、これまでなら捨てるだけだったけれど、エネルギーとしてリサイクルすることができるようになったんだ。

二つ目は、地域で使った天ぷら油を使って、新しい燃料を生み出せるのもメリットだね。私たちが取り組みを続けて、広げていくことで、将来的にはエネルギーを地産地消できる仕組みもできると考えているよ。
おわりに
使い終わった天ぷら油は二酸化炭素を増やさず、地球にやさしいエネルギーにリサイクルすることができるんだね。
小山さんと柳瀬さんが働く熊本管工建設では、天ぷら油やバイオ燃料の使用だけでなく、ペットボトルキャップやコンタクトレンズの空ケースなどを地域の高校生たちと協力して集め、リサイクルにつなげているそうじゃ。これまで捨てていた身近なものも、捨てずにリサイクルすることで、もっと暮らしやすい社会につなげてくことができるんじゃよ。

西部ガスグループの熊本管工建設は、都市ガスの外管工事や保守点検を行う会社。SDGsへの取り組みを進めるために社内で「カーボンニュートラル推進委員会」を設置し、廃食用油の回収やバイオ燃料の導入をはじめとしたさまざまな活動を行っています。 「まずは自分たちでできること」をモットーとし、ペットボトルキャップやコンタクトレンズの空ケースのリサイクル、水質浄化のため使い捨てカイロの回収などを実施。子どもたちが暮らしやすい社会を目指し、地元の高校生や地域の皆さんと一緒に取り組んでいます。