次の週末は、どこの山でランチする? 手軽な低山登山と、山ごはんのススメ

2019.06.10

次の週末は、どこの山でランチする?
手軽な低山登山と、山ごはんのススメ

山頂から眺める壮大な景色。澄んだ空気と、鳥のさえずりや草木を通る風の音。
大自然の中で食べるごはんって、どうしてこんなに美味しいんでしょう!家族連れでも気軽に楽しめる低山なら、調理器具や食材が少しくらい重くなってしまっても大丈夫。福岡県近郊の低山、登山アイテム、山ごはんのレシピをご紹介しますので、週末の天気予報をチェックして、早速登ってみましょう!

子どもと一緒に登るなら、あらかじめ"種まき"を

山を気軽に楽しむ人が増えています。日常でも使いたくなるような、スタイリッシュで便利なアウトドアグッズ。「山ガール」という言葉もすっかり定着するほど多彩になった、山のファッション。そして何より、九州は低山が身近にあるので、家族連れで何度でも気軽に山登りができる環境にあります。そこでのお楽しみは、なんといっても山ごはん!

しかし、低山とはいえ、安全に楽しく登るために押さえておきたいポイントがあります。山で調理するためのコツも知っておきたいところ。そこで、山雑誌「のぼろ」の編集を経て、現在フリーライターをしている米村奈穂さんにレクチャーしてもらいました。

米村さんは、登山部の顧問をしていたお父さんと一緒に、小学校に入る前から登山を楽しんでいたのだそう。

「子連れの登山で大切にしたいのは、子どもの意思で登ることです。あらかじめ、お楽しみを"種まき"しておくといいですよ」と米村さん。「お山では、何を作って食べようか?」と、山ごはんを種まきのひとつにするのもいいですね。

行程については、低山でもできるだけ早い時間に出発します。特に、子どもと一緒ならゆっくりとした歩調になりますし、自然とふれあう時間も大切にしたいものです。また、山道に迷うなど不測の事態に備えた余裕も必要です。山頂まで大人の足で1時間程度の山なら、遅くても9時には登り始めましょう。

「葉っぱや石ころなど、子どもが興味を示すものを見つけたら、できるだけつきあってあげたいですね」。

ビギナーでも楽しめる オススメ低山はこの3つ!

福岡県近郊の低山を3つ、米村さんにピックアップしてもらいました。小学校低学年の子どもでもチャレンジできる山です。登山口の近くにトイレがあることもポイント。ママと子どもだけで登山をするなら、登山者が多い週末に登るとより安心です。

【天拝山】 福岡県筑紫野市

JR二日市駅から歩いて登山口のある天拝山歴史自然公園に行けますので、車がなくても大丈夫。帰りは温泉に立ち寄りたいですね。

【立石山】 福岡県糸島市

芥屋海水浴場に登山口があり、山頂からは海が望める絶景です。夏場なら、山から降りてそのまま海遊びもできます。

【三日月山】 福岡市東区新宮町・久山町

登山口は三日月霊園の駐車場。隣の立花山まで繋いで歩くこともできるので、体力に合わせてもうひと山、挑戦してみてはいかがでしょうか。

登山の安全と登りやすさ。 三種の神器をゲットせよ!

「登山の三種の神器」をご存じですか?登山靴・ザック・レインウェアのことで、登山で最初に揃えておきたいアイテムです。安全性が高まりますし、ぐっと登りやすくなりますよ。また、登山のアイテムは機能的なので、普段の生活や旅先でも便利に使えたり、避難グッズとしての備えにもなります。

【登山靴】靴底がしっかりしているので滑りにくく、ねんざ防止になります。靴ずれしないように、日常生活で履き慣らしてから山に行きましょう。

【ザック】背中で重い荷物が揺れると、体が振られてとても歩きづらくなります。荷物の量に合ったサイズで、できるだけ背中にぴったり沿うものを選びましょう。

【レインウェア】防水性はもちろんですが、汗で身体を冷やさないように、蒸れを外に逃がす素材がおすすめです。米村さんのレインウェアは脇が開けられて通気できるようになっています。

万が一、迷子になってしまった時のために。笛や鈴は、自分の居場所を知らせたり、動物との思わぬ遭遇を防いだりすることができます。両手が自由になるヘッドライトを持っていると、もし下山時刻が遅くなってしまった時にも安心です。

家族で登山に行く時には、誰か1人だけで荷物を持つことは避けましょう。力自慢のパパだけザックを背負うのではなく、はぐれてしまった時のために、ママや子どもも水やお菓子など、最低限の装備が入ったザックを背負っておきましょう。

これさえあれば、どこでもキッチンに!

低山とはいっても、荷物はできるだけ軽くしていきたいですよね。少しずつ買いそろえていきたい、機能的でコンパクトな登山用の調理器具を紹介します。

【ガスバーナー・ガスカートリッジ】軽くて、クッカーの中に収納して持ち運べるほどコンパクト。火力や安定性もポイントです。山ごはんの楽しみが一気に広がりますよ。

【クッカー】鍋やフライパン、時にはお皿になるものです。軽くて熱伝導のいいアルミのクッカーは、価格も比較的お手頃です。少し高価ですが、アルミの軽さとステンレスの強度を備えたチタンも人気。最初はキッチンにあるミルクパンなどでも大丈夫ですよ。

【カトラリー】普段使っているものでもいいのですが、シリコン製のスプーンが1つあると便利です。料理がきれいにすくえるので、片付けでも大活躍します。「自宅でも毎日、食器洗いの前に使っていますよ」と米村さん。

山慣れた米村さんの"キッチン"です。クッカーに塩、ゴマ油、お酢などを収納して、いつもザックにいれているそう。

お馴染みのあのラーメンが登山家に愛される理由

お湯を沸かすだけで手軽に食べられるインスタントラーメンは、山ごはんの基本。ロケーションが山というだけで、ごちそうになりますよ。その、インスタントラーメン。福岡市発祥の我らが「マルタイラーメン」が、全国の登山家に支持されていることをご存じですか?愛されポイントはその形。棒状なのでザックの隙間に入ってかさばりません。そして、直径が小さめのクッカーでも作りやすいのです。

「マルタイラーメン」は登山用に「山の棒ラーメン」も販売しています。こちらは1人分の包装なので、必要な分だけ持っていけます。味はいつもの豚骨ではなく、アレンジしやすい醤油味。さらに、ビタミンやしじみ450個分(!)のオルニチンなども配合しているので、登山で消耗した体力を回復させてくれそうですね。スープの素は1袋にまとめたエコ包装です。

スーパーでは見かけませんが、全国のアウトドア専門店やWEBショップで販売しています。

家でも食べたくなる! 山ラーメンのアレンジテク

それではいよいよ、レッツ山ごはん!4人の料理家さんに「山の棒ラーメン」をアレンジしたレシピを考案してもらいました。

アイデアを出していただいた料理家さん。左からノザワエミさん、宮村ゆかりさん、中願寺あゆみさん、SHIMAさん

【サバカレーラーメン】

手順通りに「山の棒ラーメン」を作ったら火を止め、家で準備してきた味噌玉(味噌・小さじ1/2、カレー粉・小さじ1、にんにくチューブ・1cm)を溶かし入れ、サバと小ネギをのせれば完成!お好みでモヤシも加えてみてください。

カレーの力で醤油味が一新!味噌とニンニクも入っているので、コクがあってまろやかです。山用のガスバーナーは意外と火力が強いので、ふきこばれに注意してください。野菜はあらかじめ家で切ってくるとより手軽ですよ。ワイルドに手でちぎるのもアリですね!

【温玉野菜ラーメン】

水を入れたクッカーに乾燥野菜を好きなだけ入れて、「山の棒ラーメン」を作ります。仕上げに温泉卵と小ネギをのせましょう。

温泉卵から黄身がトロ〜リとあふれるのを見るだけで、気分が高揚しますね!温泉卵はコンビニでも調達できますよ。乾燥野菜は軽くてコンパクト。その上、野菜の旨みや栄養素が手軽にプラスできるのもうれしいですね。

【豆乳キムチラーメン】

クッカーに豆乳200mlと水300mlを入れて沸かし、「山の棒ラーメン」をつくります。サラダチキン、キムチ、小ネギをのせて完成!

豆乳でキムチがまろやかな味わいに。豆乳は使い切りの1パックが便利です。200mlでなくてもかまいませんが、水との合計が500mlになるように調整します。豆乳・サラダチキン・キムチはコンビニでも調達できますよ。

シメも食後のコーヒーも! 山ごはんを、もっと日常に

ラーメンのスープを使って、さらにアレンジしてみましょう!山へ持ち込んだものは、山では捨てず、すべて持ち帰ります。山ごはんも最後の一口まで美味しくきれいに食べたいですね。前述したレシピの、どのスープを使っても美味しい懐の深いレシピです。

残ったスープを再び温めて、ごはんと粉チーズと溶き卵を入れ、好みの加減で火を通したら完成!

粉チーズを入れるだけで、すっかり洋風に!粉チーズは大胆にたっぷり入れるのがコツです。夏場なら、冷凍ごはんを保冷剤代わりに持っていくのもいいですね。山頂につくころにはちょうどよく解凍されています。

米村さんの“キッチン”も出動!今回使った食材も活用して、副菜を作ってもらいました。作り方は材料を和えるだけ。お酢の酸味でさっぱりと食べられて、山登りで疲れた身体に染みます!

左/[材料]キュウリ・サラダチキン・桜エビ・ゴマ・ゴマ油・酢・塩
右/[材料]キュウリ・キムチ・ゴマ・ゴマ油

山ごはんも最高ですが、山コーヒーもまた格別!食後や休憩の一杯のために、ぜひ準備しておきましょう。ドリップパックも手軽でおすすめです。

メッシュのドリッパーは自宅でも旅行先でも活躍しそうですね。

「次の休日、どこでランチを食べようかな?」という選択肢のひとつに、これからは山ごはんを入れてみてはいかがでしょうか。低山なら適度な運動にもなりますし、自然の中に身を置くことで、子どもの感性を磨けるのもいいですね。普段、街なかにいる時とは違う子どもの表情がきっと見られますよ。もちろん、ママもパパもいい笑顔になるはずです!

マルタイラーメン商品画像

マルタイラーメン / ㈱マルタイ

即席棒状めんのパイオニア商品。めんはノンフライ・ノンスチーム製法で仕上げた、生めんに近い風味のストレートめん。スープはポークとチキンをベースにした風味豊かなあっさりしょうゆ味。

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