自宅でカンタン、プロの味。 親子で楽しむ本格ピッツァ作り

2019.10.11

自宅でカンタン、プロの味。
親子で楽しむ本格ピッツァ作り

「西部ガスショールームヒナタ福岡」では、初心者から料理を学べる料理教室「西部ガスクッキングクラブ」が開催されています。今回は、その中でも子ども向けの教室「ガエターノの親子ピッツァ教室」をご紹介します。

「ガエターノ」と言えば、グルメな方はピンとくるはず。そう、福岡で"予約が取れないレストラン"でおなじみのイタリア料理店です。夏休みと冬休みに開催されるこちらの料理教室も毎回抽選になるほどの人気なのだとか。
でも、多くの人の心を掴むピッツァを学ぶなんて、とっても難しいんじゃないでしょうか?いえいえ、心配ご無用!ほら、教室の入り口に入ってみると、賑やかな声が聞こえてきましたよ。親子で一緒になってワイワイ楽しそう!

本場のピッツェリアで感動した "作る楽しみ"を子ども達に伝えたい

「Pizzeria Da Gaetano」のオーナーTOMMYさん。本名は舌間智英さんですが、「イタリア人は智英って発音ができないみたいで、ずっとTOMMYと呼ばれていたんです」。優しそうな表情を見ていると、愛称で呼ぶ気持ちも分かります。

今回のピッツァ教室の先生は、福岡市渡辺通にある「Pizzeria Da Gaetano」のオーナーTOMMYさん。ピッツァの聖地・ナポリにある名店「Pizzeria Da Gaetano」で修業し、唯一屋号を継ぐことを許されたという腕前の持ち主です。本場の味が楽しめるTOMMYさんのレストランは常に予約がいっぱい。西部ガスクッキングクラブの参加者の中には「ガエターノのファンなんです」という方もチラホラいらっしゃいました。
大人からのラブコールも多いのですが、料理教室の主役は小学生。
そこには、TOMMYさんのこんな思いが込められているんです。
「ナポリピッツァを知ってほしいと思ったのがきっかけですね。子どもにとって"ピザ"といえば、宅配ピザのイメージが強いですよね。でも、発祥の地であるナポリの"ピッツァ"は味も食べ方も全く違うもの。ナポリの職人が手仕事で作るこの味をぜひ知っておいて欲しいんです」

TOMMYさん自身もかつて別業種からナポリピッツァの世界に飛び込んだそう。そのきっかけは、十人十色の好みがあるピッツァとそれに応える職人の姿でした。
「実はイタリアではピッツァは家で作らないんです。パスタは家で作るけど、家庭だとおいしく焼ける薪窯がないからピッツアはテイクアウトするんです。それだけこだわりも深くて、同じマルゲリータといっても微妙に好みが違う。生地の焼き方の違いも5段階くらいあるんですよ。フチが黒く焦げるまで焼く人もいれば、逆に真っ白な生焼けが好きという人もいます。ちょうど博多ラーメンの"バリカタ"や"やわ麺"と似ていますよね。だからイタリア人は一枚のピッツァをシェアしようって言うと怒るんですよ。ラーメンをシェアしないのと同じ。職人はそんな要望に全て応えなければならないから大変なんです。でもね、イタリアの職人って、みんな楽しそうに作っているんですよ。生地作りは粘土で工作しているみたいですし、薪で焼いているのも面白そうでしょう。『見て面白い、食べておいしい』というナポリピッツァ自体を子どもたちに楽しんでもらえたらと思っています。」

親子で気軽に挑戦したい "包丁を使わない"料理教室

先生のデモンストレーションを見つめる子ども達。いつになく真剣な表情に、後ろで見ていた保護者の方々も驚いていました。

教室の様子を覗いてみると、子ども達はTOMMY先生のデモンストレーションに見入っているよう。

「生地を真ん中に置いて、両の手のひらの人差し指を重ねてくっつけてバッテンを作ります。そのまま下から上にポンポンと優しく押さえましょう。中の空気を外に出す感じ。裏返して、もう一度下からポンポンポン。この時、指先だけではなく手の平全体を使うのがコツです。」

だいたい生地が手のひらくらいの大きさになったら左手で生地の左端を押さえて、右手で反対側の端をぎゅっと引っ張ります。
それを繰り返して、手のひら二つ分が入るくらいの大きさに広がったら、生地の真ん中にトマトソースを落として全体に塗り広げます。

一通りの行程を見た後は、いよいよ実践。念入りに手洗いをした後、一つのテーブルに4組の親子がついて生地作りに取り掛かります。先生の大きな手に比べて、かわいらしい子どもの手ではちょっぴり苦戦しているよう。それぞれのテーブルから「ポンポンポン」「もうちょっと薄く」なんて声も聞こえてきましたよ。

お母さんも一緒になってピザ作りに熱中。思ったよりもっちりしている生地の感触が新鮮です。

生地は練習分を入れて3枚。その中から一番できの良いものを選んで、いよいよトッピングです。卓上に用意された具材は、ツナやコーン、ウインナー、ゆで卵にパプリカなど。身近で手に入りやすい食材が選ばれています。と言っても、好きなものをぎっしりのせてしまうと生地に火が通らないのでご注意を。具材同士がくっつかないように並べましょう。最後にバジルの葉っぱをのせてオリーブオイルをかけたら生地の出来上がり。
「ウインナーと卵で顔を作ったよ!」
「もう少しコーンをのせよう」
「パプリカがあったらきれいだね」
「ママはツナが好きだから、たくさん入れよう」

お父さんの大きな手が優しくフォローしてくれます。親子の共同作業に子どもさんもリラックスして取り組めたよう。

トッピングができたら、備え付けのガスオーブンで約6分焼いて完成です。教室中に、焼きたての香ばしい香りがふわりと漂ってきました。
さあ、実際に自分で作ったピッツァはどんな味がするのでしょうか?

顔を作ったり、好きな具材で統一したり、子どもの感性によってさまざまなピッツァが出来上がり!

残りものがちょっとよそいき料理に変身! プロが教える“お家ピッツァ”のススメ

料理好きな子から、今まで台所に立ったことがないという子まで、さまざまな年代の小学生が参加した今回の親子ピッツア教室。「モチモチしておいしい!」「意外と簡単にできたね」「もっと作りたい!家でやってみよう」と出来映えに大満足でした。

保護者の皆さんも「ピザってこんな手軽に作れるの!」「勉強になりました」と楽しんでいらっしゃいました。

参加者の皆さんから「おいしい生地を作るコツは?」という質問が多く寄せられていましたが、TOMMYさん曰く、市販の生地でも美味しくできるそう。
「手作りの生地は8時間くらい発酵させなければならないんです。それだと普通のご家庭では難しいので、市販のものを使うのがオススメです。今は、円盤状に伸ばしたものだけではなく、塊状の生地も売っていますし、小麦粉アレルギーの方向けにグルテンフリーの生地も簡単に買えるんですよ」

TOMMYさん直伝!おうちピッツァのポイント

・生地は作る30分前に冷蔵庫から出して常温に戻しておく。
・焼く時や温めなおす時はオーブントースターやコンロのお魚グリルで(電子レンジだとフチが固くなってしまいます。)
・生地を伸ばす前の玉の状態の時、生地が乾燥していたら霧吹きで水をかけておこう。
・焼いてしばらくたったピッツァを温める時はフチの耳の部分に霧吹きで水を。
・伸ばす前の玉の生地はラップに包んで冷凍、もしくは伸ばした物は具材をのせず軽く素焼きしてラップに包んで冷凍すると便利

「トッピングにはチーズや明太子をのせてもいいし、昨日の夜のカレーや肉じゃが、パスタ、唐揚げを刻んでのせるのもアリですよ。ナポリピッツァは水と粉だけのシンプルな材料。生地自体には油なども入っていませんから、どんな食材にも合うし、一枚ぺろっと入っちゃうんですよ。主食にもおやつにもなるし、パーティーにも出せますよ。」なるほど、毎日の食卓に簡単に取り入れられるし、お母さんにも嬉しいですよね。

まとめ

普段はあまり馴染みがないピッツァ作りに挑戦した子どもたち。最初は少し緊張した面持ちでしたが、同じテーブルの子ども達同士や保護者の方々とのおしゃべりも弾んで、笑顔もこぼれます。参加された保護者の方も「自分で作ったものだといつもより食が進んでいるみたい。」とビックリ!作る楽しさが美味しさのアクセントになったようです。
作っている時のワクワクした気持ちやできたてのピッツァをみんなで頬張った思い出は、きっとこれからの食生活を考えるきっかけになることでしょう。

帰り際、「TOMMYさんバイバーイ!」「ありがとうございました」と笑顔で挨拶をする子ども達を見送るTOMMYさん。その嬉しそうな表情にも、作る楽しみが溢れているようでした。

西部ガスショールームヒナタ福岡

住所:福岡市博多区博多駅東2-7-27 TERASO-II 2F
電話:092-411-0515
営業時間:10:00~18:00 水曜は休み
HP:https://www.saibugas.co.jp/home/showroom/fukuoka/index.php