2020.12.11
殻を破って、前へ進む。 未来を見据えた変革の軌跡
住まいやオフィスの開発、ガス資材の物流、保険や旅行のサポート、レストランやスポーツ施設の運営など、多岐にわたり地域の産業や私たちの生活を支えてきた「西部ガス興商株式会社」。来年に創業50周年を控えた今年、2020年10月1日に「西部ガス都市開発株式会社」として新たなスタートを切りました。社名変更という大きな決断に踏み切った背景、また「街づくりと暮らしの創造企業」として今後目指していきたいこととは。改革の陣頭に立ち未来を描く挑戦者、代表取締役社長の佐藤 操さんにお話を伺っていきます。
数々の経験が活きることを実感できた社長業
不動産、物流、商事、スポーツ健康という4つの分野で幅広く事業を展開する西部ガス都市開発株式会社。西部ガスグループにおいて、ガスエネルギー以外の観点から「お客さまの暮らしを支える」という役割を大きく担っています。
佐藤さんが代表取締役社長に就任したのは昨年4月のこと。直前までは西部ガスの常務として、大牟田ガス株式会社の代表を務めており、過去には人事、営業などさまざまな業務に携わってきた多彩な経歴の持ち主です。
「エリート街道とは違うところで、一生懸命やってきたと思っています(笑)。北九州博覧会協会出向時には営業の仕事だけでなくイベントの企画やプロモーションに従事しましたし、介護付有料老人ホーム「アンペレーナ百道」の立ち上げにも携わりました。今回当社社長の名を受けた時は、これまでとはまた違う大きな任務だと感じましたが、事業の幅広さには、これまでの経験がとても活かされていると実感しています」
豊富な現場歴や培ってきた視野の広さ、そしてチャレンジ精神。佐藤さんの強みを生かして、次々と新しい風を吹き込んでいきました。
誇れる仕事であるために、まず大切なのは感謝の気持ち
「会社は自己実現の場であり、達成感を味わえる場所でなくてはならない。そのためには上司が部下に対し、その成果をちゃんと褒めること、またさらに互いに感謝することが大切です」。佐藤さんの日課は「1日10回のありがとう」だと言います。まず社長から社員に。そして社員からお客さまに。この「ありがとう」の循環が幸福感となって、気持ちのよい会社を創りあげていくのです。
意識改革は、仕事への取り組み方にも反映されていきました。佐藤さんが講師となってマネジメントやリーダーシップについての社内研修を行ったり、管理職には「どのような職場を作っていくのか」の職場改革宣言を掲げてもらったり。さらに各々が日々のゴールを設定して、それを達成するためにはどうすべきかを考える。受け身ではなく、自主的に動く環境づくりを図ってきました。
「これまでは西部ガスという会社からの委託を受けて運営していくという側面が強かったのですが、それでは前に進みません。歴史を繋いでいくという思いと、変えなくてはという思い、そのどちらも必要です。西部ガス都市開発は、グループ内でも今大きな期待を受けていると感じていますし、社員には、それを不安と捉えずに、誇りをもって取り組んでいってもらいたいですね」
お客さまと地域を幸せでつなぐ「新しい価値」の創造へ
西部ガスグループ中軸としての期待。今回の社名変更は、それを裏付けるものでもあったようです。グループの中期経営計画「スクラム2022」では、ガスエネルギー事業に次ぐ不動産事業の成長拡大が掲げられており、その業務が先だって「西部ガス興商」に集約されることとなりました。これを機に、さらに不動産事業に注力すると共に、あらゆる事業を連携させながら地域に根差した企業になりたい。そんな「新しい価値をつくる」という想いを込めて誕生したのが、新社名「西部ガス都市開発」だったのです。
「弊社の強みは、多岐にわたる事業を手掛けていることです。それはお客さまとの接点が幅広いということであり、加えてそのお客さまの要望にいろいろな側面からのご提案ができるということ。各事業を掛け合わせることで、みなさまの都市生活に掛け算で価値を生み出し、地域貢献に繋げていきたいという願いから、こう名付けました」
もっと身近に。もっと笑顔が生まれる環境に
就任して1年半。佐藤さんが率いてきた改革によって、社員の方々の間にもこれまでとは違う空気が流れ始めたようです。さらに不動産事業部では、10月に西部ガスから新しいメンバーが加入したことで、既存に捉われない仕事の進め方や考え方に刺激を受けた人が多数。やり甲斐を持って開発事業などに取り組むようになったという声も多く聞かれました。
また、社名変更と同じタイミングで、スポーツ健康部が運営するフィットネスクラブも刷新。これまでバラバラだった施設名を統一し、「ファンサンテ」として新たなスタートを切りました。これも施設間の連携を強めることで「楽しい健康づくり」にさらに力を注いでいきたい、という意欲の表れです。
そして、春日市に店舗を構える人気ベーカリー「ボンヒナタ」は、10月末に博多駅東の「八仙閣本店」1階に姉妹店「カフェボンヒナタ」をオープン。既存事業による新業態への取り組みで、より多くの方々との接点が持てるようになりました。
「今ある事業の裾野を広げて、お客さまにより多くの幸せや快適さを提供していきたい」と佐藤さん。私たちの暮らしに、もっと身近に。西部ガス都市開発の挑戦はこれからも続きます。
生涯をかけて努めたい、次世代育成という「ギフトを返す活動」
自らが定めたゴールへと向かって、今やるべき事に全速前進。忙しい毎日を送る佐藤さんですが、人生においても、生涯をかけて取り組みたい課題があるそうです。
「私は、アジアを始め世界各国で活躍する人材を輩出することを目的とした特定非営利法人『九州・アジア経済塾』の一期生なんです。ここでは諸先輩方から多くの学びをいただき、生き方の指針を得ることができました。その上で私がやるべき事は、次世代の育成。いただいた『ギフト』を次の世代にしっかりと繋げていく役割があると思うのです」
社員や塾生はもちろん、これからを担う大学生など若者へもセミナーなどを今まで数回行って参りました。今後も今まで諸先輩の方々からいただいた価値ある学びを次に贈り、社会に「ギフトを返す」活動を、生涯かけて行っていきたいと話します。「北極星のような道標の存在になるために、これからも一生勉強、一生青春です(笑)」。社長として、次世代のメンターとして、厳しさと温かさを併せ持つ挑戦者のまなざし。その輝きはきっと生涯色あせることなく、未来へと受け継がれていくことでしょう。