コウケンテツ×福岡の食と人 企業の枠を超えて新たな視点で探る 人と食の未来へ向けて、私たちができること。(前編)

2021.01.08

コウケンテツ×福岡の食と人
企業の枠を超えて新たな視点で探る
人と食の未来へ向けて、私たちができること。(前編)

私たちにとって"食べること"は、切っても切り離せないほど身近な営みです。
だからこそ、食はその土地の文化を知る鍵であり、社会を写す鏡であり、未来を示す道標にもなりうるのではないでしょうか。
生活スタイルが多様化している現代、少し立ち止まってこの何気ない営みを見つめ直してみれば、新たな発見に出会えるかもしれません。

今回お届けするのは、食に関わる人々から、"福岡の今とこれから"を学ぶグループトーク。レシピを通して食卓の楽しさを伝える料理研究家のコウケンテツさんを案内役にお迎えして、じっくりと語り合っていただきました。

"作る"以外で食の未来を支える 異色な3人のビジネスモデルとは?

コウさんと共にお届けしてきた「福岡の食と人」の第三弾。過去2回のゲストは食材や調理など、直接的に食に関わる方々でしたが、今回はガラリと変わった経歴のお三方にバトンタッチ。教育や経済、社会といった別のアプローチから、より多角的に"食"を見つめ直します。
お招きしたのは、飲食業界の現状に即した実践的な職人養成校「スピリッツオブマイスター」を立ち上げた中村一善さん。西部ガスグループの料理教室「クッキングクラブ」の企画などを通して食育に携わる池田泰造さん。銀行での経歴を生かしながら、若い世代のスタートアップを支援する「SGインキュベート」の相川洋さん。それぞれの立場や食との関わりの中から、次の世代につなぐ食の課題と可能性について意見を交わします。

コウケンテツさん

コウケンテツ

出身は大阪府、現在は東京都在住。お母様である韓国料理研究家、李映林さんのもとでアシスタントを務めた後、料理研究家として独立。韓国料理、和食、イタリアンと幅広いジャンルで活躍中。福岡ではRKBの料理番組「たべごころ」(https://rkb.jp/tabegocoro/program/)でもおなじみ。9月に初のエッセイ本「本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ」(ぴあ)を出版。

YouTubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/channel/UC3p5OTQsMEnmZktWUkw_Y0A

スピリッツオブマイスター

福岡を中心とする有名シェフが人材を育成する専門校。講師陣や研修先にも福岡の名店が名を連ねており、即戦力の育成に力を入れている。2020 年 7 月に福岡市南区大橋に校舎を移転。
中村 一善(なかむら かずよし)
http://www.meister-gate.jp/

スピリッツオブマイスターの記事はこちらにも
https://www.saibugasgroup.jp/new_lifelab/303.html

クッキングクラブ/食文化スタジオ

西部ガスグループが主催する料理教室。火の扱いや怖さを知る「火育」にも取り組み、親子や子ども向けの教室を多数企画している。
池田 泰造(いけだ たいぞう)
営業本部マーケティング部/マネジャー
https://www.saibugas.co.jp/home/lifestyle/cookingclub/fukuoka/

SGインキュベート

スタートアップ企業に対して投資を行うコーポレートベンチャーキャピタル。会社の成長ステージは問わず、経営者や挑戦者の"人間性"を重視した投資判断で新たな才能のサポートを目指す。
相川 洋(あいかわ ひろし)
SG インキュベート株式会社 代表取締役社長
https://sg-incubate.jp/

SGインキュベートの記事はこちらにも
https://www.saibugasgroup.jp/new_lifelab/313.html

今回の座談会は、福岡市南区大橋にある「スピリッツオブマイスター」をお借りしました。今年の7月に移転したばかりの新校舎。プロ仕様の機材が揃う調理実習室や講義室はもちろん、レストランのホールを再現したサービス実習室やシェアハウスタイプの寮も備えています。

調理実習室で製菓の授業を見学。生徒達はグループ内で作業を分担し、声をかけながらテキパキと動いています。

カウンターやテーブルを備えたサービス実習室では、ホテル・ブライダルコースの生徒がドリンクについて勉強中。

座談会が始まる前に、中村さんに案内していただきながら校内を一周。調理実習室では、グループに分かれて製菓の実習、階下のサービス実習室では、ホテル・ブライダルコースの生徒への講義が行われていました。
いずれも真剣な表情で取り組む生徒の姿に、見学している他のゲスト達も刺激を受けたよう。この後の座談会では、若い世代に対する思いや期待について大いに盛り上がりました。
気になる内容の前に、まずは皆さんの経歴についてご紹介しましょう。

調理実習室の見学中には、メンバーの皆さんが中村さんに次々と質問を投げかけていました。

学校と同じ建物にある女子寮の一室。清潔感のあるワンルームで、1人部屋(写真)と2人部屋、リビングルームがあり、冷暖房や家具や家電も完備。中村さん曰く「身ひとつで来ても大丈夫」とのこと。

―スピリッツオブマイスター 中村一善さん(以下、中村): 「スピリッツオブマイスター」は、今年で開校10周年になります。もともと、私がシェフとして働いている時から、業界内の人材不足と早期離職率の高さに危機感を抱いていたんです。この現状を何とかしなければいけないと、同業者と一緒に模索していたところ、たどり着いたのがドイツやオーストラリアの「マイスター制度」。これは、国や企業のバックアップを受けながら、業界全体で人材を育成していく制度で、実際にレストランやホテルなどの現場で研修をしっかりと受けることができるんです。

スピリッツオブマイスター 中村一善さん

―中村: 実は日本の調理専門学校って、現場に実習に行くのは1年間で長くても10日から2週間です。そのまま卒業して初めて現場に触れると、当然ミスマッチが起こる。だから離職率が高くなるんです。ひどい時は50%のぐらいの離職率、つまり2人に1人は辞めるという状況が続いていました。採用する側もそれを見越して2倍数を募集しているんです。そうなると費用もかかりますし、無駄も多い。なおかつ人手が足りなくなる。

―中村: 「スピリッツオブマイスター」はその逆で、現場でのインターンシップを年に6ヶ月確保しています。つまり、生徒は学校と現場を行ったり来たりで1年間を過ごすんです。卒業後はプロになれる。この流れを日本でも定着させたいんです。実際に学校を設立して10年経ってみると、離職率を5%以内にまで減らせたんですよ。現場を経験しているかどうかでこれだけ違うんです。今後もカリキュラムについては工夫して行きたいのですが、ちょっと長くなりそうなので後ほどお話しします(笑)

―コウケンテツさん(以下、コウ): では後も楽しみに(笑)従来の専門学校を超えた現場との連携で即戦力、そして社会に出て役に立つ人材を育てていらっしゃるんですね。働く方もやりがい、そして生きがいを持つことができる。そこも大切だと思います。では次に池田さんお願いします。

―クッキングクラブ/食文化スタジオ 池田泰造さん(以下、池田): 私は、西部ガス本社のマーケティング部に所属しています。仕事としては、大きくいえばお客さまとのコミュニケーションづくりですね。CM やコウさんと一緒に作っている「たべごころ」という番組、「ヒナタ福岡」でのショールームやクッキングクラブなどの運営、「食文化スタジオ」での食情報の発信などを手掛けています。

クッキングクラブ/食文化スタジオ 池田泰造さん

―池田: その中でも、「クッキングクラブ」は食文化の継承や最新のガスコンロを使った安全な調理を伝えることを目標としています。教室は7カ所あって、だいたい年間2万人弱ぐらいのお客さまに利用されているんです。講師には地元の有名シェフや料理研究家の方をお招きして、和洋中、スイーツなどジャンルもさまざま。子ども向けの教室では、「火育」、「食育」もテーマにしています。

―SGインキュベート 相川洋さん(以下、相川): 「火育」って何ですか?

―池田: 「火育」とは、火を正しく使う、正しく怖がる、大切さを知るということを教える学習ですね。火を使った調理の楽しさを知って欲しいと親子教室を開催しているんです。あとは、「キッズレストラン」という形で、お子さんが料理人になってお父さんやお母さんにご飯を食べさせるという体験も人気です。こういった食体験の場を提供することが我々の仕事です。コウさんにも味覚の授業をしていただきましたね。

―コウ: 熊本でやりました。池田さんも幅広くやられてますよね。かなり前から食に対しての事業を手掛けられていて、その時に見据えていたものが今、少しずつ形になっているのではないでしょうか。「たべごころ」を通じて、そう実感しています。では、最後に相川さん、自己紹介をどうぞ。

―相川: 「SGインキュベート」は、昨年4月にスタートアップ企業への投資・支援を目的に設立した新しい会社です。投資対象は新しいサービスや、技術の事業化を目指しているスタートアップ企業や人。例えばスポーツスクールやドローンの会社、109の言語を翻訳できる言語翻訳アプリ...、それから一番新しいものだと妊婦さんの遠隔診療ができるプラットフォームですね。9、10ヶ月頃の妊婦さんは病院に頻繁に行かなければならないのですが、移動や待つ時間が長いのに、診察時間は短い。それで家にいながら診察できないかと高松の会社が開発されたんです。国内だと広い北海道で活用されていますし、海外だとブータンやネパールなど病院が少ない国にも導入されています。ブータンでは王族の方が市民に寄付して病院につなげているんですよ。こんな風に環境問題や社会問題を解決するような企業にも積極的に投資をしています。
昨年の4月に立ち上げて、今は24社で合計10億程度の出資を決定しています。

SGインキュベート 相川洋さん

―池田: どんな基準で出資者を選んでいらっしゃるんですか?

―相川: 「その事業が、世の中のためになることかどうか」ということを第一に考えています。あとは「代表者が強い意志を持っているか」、「良い仲間がいるか」。仕事としてやるからには儲けも大事なのですが、この三つのポイントが無いと何かあった時にすぐに諦めてしまう。

―池田: 仲間というのは?

―相川: やっぱり起業するときつい時があるんですね。お金の調達もそんなにできなくて、ギリギリでやってるところは結構多い。そんな中でも誰かが励ましたり、手助けしてくれたり、そんな仲間がいれば本気で頑張っている人はやっぱり踏ん張れる。いくら有名な人や企業でもこの条件に合わなければお断りしています。

―コウ: 食に関する企業もサポートされているんですよね?

―相川: はい。検討しているものもいろいろとあるんですけど、その中でも面白いなあと思ったのが放牧豚です。普通は豚小屋の中で育てられて肉にされるんですけど、広い牧場で豚を走り回らせて、ストレスを感じさせずに育てる。そうすると薬剤などを餌に入れずにいい肉ができる。肉の単価は高いんですけど、お客さんは支持されているんですね。この事業をスタートしたのが、宮崎の大学生なんです。こういうニッチだけれども面白い企業と一緒に頑張りたいと思っています。
もともと僕自身が五島のちっちゃな島出身で、自分で海に潜ってウニやサザエをとるのは当たり前みたいな環境でしたので、食べ物は大事だと身に染みています。だからこそ、こういう投資を通して食に貢献したいんです。

―コウ: なるほど。「SGインキュベート」さんは、エネルギッシュな若い世代のアイデアを具現化するための橋渡しと言うか、うまく社会とつなげる存在なんですね。

―コウ: 僕は、過去の座談会で考えさせられたことがすごくありまして。一つのビジネスモデルや使命感だけでは今の問題を乗り越えて行くことはできないんですね。それぞれの動きがうまくリンクして、業界を超えたダイナミックな連携が必要だなと。そういう意味でも、皆さんは多角的にアプローチをされているなと思います。

世界に取り残された日本の料理教育 これからは“考える力”を育む場を

―池田: 今の時代は、「食を楽しみたい」という方が非常に多くて、そのやり方も多様化していますよね。最近は特に“おうち時間”が長くなって料理に挑戦する方、手抜きはしないけど家事を楽にしたいと工夫される方とか。西部ガスのCM で93歳の料理研究家・桧山タミさんが「頑張らんでいいとよ」って言ってくれる。そのコメントがすごく響くと、若い世代の方々からのご意見も聞いています。
料理をしたいけどうまくできない、忙しくて時間がない方を最新のガスコンロの便利機能や時短レシピなどがサポートすることで、家での調理や食事が楽しくなるんじゃないでしょうか。また、食育は子ども達だけではなくて、本当はその親世代から必要だと思うんですよ。朝食がお菓子だったりとか、よく聞くでしょう?親世代の意識を変えることも必要と思います。

―中村: 確かに。子供の時に味覚形成の時期があるから、食生活は本当に大事なんですよね。それに、学生の中には料理に対しては当然興味があるけど、農業や漁業への関心がない子も多い。命の大切さが分からない。野菜がどういうふうにできているか知らないなんて子も年々増えてきています。これからは、料理だけではなく、例えば農業学校を併設するとか、食に対する考え方を変えていかないと。

―コウ: その一方で、これからはAIの進出で料理人自体が不要になるのではという意見も出ていますよね。

―中村: 当然そういうお話もありますけども、AI でできるものとできないものがあると思うんですよ。例えば集団調理とか病院食や介護食、基本的に献立が決まっているものについては便利ですが、それとは別に“職人”として料理を作るという文化は残っていくのではないでしょうか。だからこそ教える側も今までの教え方とは根本的に変えないと時代に取り残されてしまう気がします。
今までの料理学校は、料理のやり方については教えてくれても、自分で“考える力”をつけられてないんですよね。レシピに沿って作って、出来ない時は先生が入って手伝ってくれるみたいな。それが今の日本の料理学校とか専門学校の全てなんですよね。

―コウ: 海外だと全然違いますよね。

―中村: そうなんです。海外はまず考える力を持たせる。アメリカだと、その日に何を作るかは生徒達が決めるんです。この時間でこの素材を使ってどんな料理ができるかとか。そういう風に考えて実践する生徒を輩出しているので、経営的にも優れている子がたくさんいます。

―コウ: 僕は取材で世界を巡ってるんですが、韓国、タイ、フランス、イタリアの料理教室に行かせて頂いたことがあって、やっぱりレシピがないんですよ。最初に先生がデモンストレーションをして、大まかな流れだけ頭に入れるんです。生徒は、先生が作ったソースを味見しながら、どんな味にするか決めるんです。「これもっと酸っぱくしたほうがいいんじゃない?」「いや、もっと甘く」なんて相談しながら。これは、五感をフル動員して考えないとできないんですよ。すごい料理教室だなと思っていたら、世界ではこれが当たり前なんですね。

―中村: 日本が特別なんですよ。

―池田: 日本の文化的なものなんですかね。形から入ってしまうというか。

―コウ: かゆいところに手が届きすぎるというか。

―中村: 「スピリッツオブマイスター」でも、レシピや調理の流れについては、できるだけ自分の言葉で考えて書くように教えています。ただ作っただけでは何の意味もないですから。

―コウ: 中村さんは料理人を目指す子どもさんに向けてのアプローチですが、池田さんもクッキングクラブを通して、今の子ども達を見ていらっしゃいますよね。子どもの考える力をどう育てるか、親世代へのアドバイスなどはありますか?

―池田: う〜ん。「発見するということの楽しさ」を知ってもらう。そういう場を作ることだと思うんですよね。砂糖は温度変化によって色が付くとか、温度や茹で時間で卵の食感が変わるとか。小さなことでも発見すると子ども達って目がキラキラ輝く。大人にとっても、当たり前だと流していたことの中に学びを見つけることができると楽しいと思える。何か新しいものを知る喜びを親子で共有して行くのがいいんじゃないでしょうか。食だけではなくていろんな分野でも言えますけど。

―中村: 発見の場を作るか、なるほどね。

―コウ: 子どもの興味や考える力を後押ししてくれる。食ってすごくクリエイティブなんですよね。

次世代に期待していること 若い才能を掘り起こすためのアプローチ

―コウ: 先ほど、相川さんの「SGインキュベート」のお話を聞いて、すごく気になったんですけど、投資を検討する場合は面談をされるわけですよね。
具体的に、その人のどんなところを見ていらっしゃるんですか?

―相川: 今はコロナでリモートですが、私達は必ずその人の会社に行きます。以前、僕は銀行で働いていたんですけど、お金を借りたいという人は銀行では身構えちゃうんですよ。でも自分のフィールドに戻ったら素が出る。スケジュール表や行先表を見て、本当にその営業先に行っているか、書いてるから大体分かるんですよね。月に何回言っているなとか、行き先が減ったなとか。
それに、プレゼンテーションがうまい子もいるんです。本当はその裏の事業とか人が大事なのに、作った資料に基づいて言ってくる子がいるんですね。僕はそれやっぱり駄目だと思ってて。逆に熱意がある子は向こうがまだ早いと断っても、こちらが粘って出資させて頂いたところもあります。

―コウ: 下手にプレゼンのスキルを身につけるのではなく、懐を開いていかに自分の熱意をその場で語ることができるか。

―相川: まさにそうです。

―池田: 私たちも社内の若手を集めて、新しいサービスを考えるワークショップを開催するんですけど、社会の課題を解決したいとか、そういう案がバンバン上がってくるんですよ。私だったらつい儲けを考えてしまうんですけど。子育てに困ってる人がいるとか、独居老人が寂しい思いをしているとか、災害への備えをどうするかとか、そういう社会課題を解決したいという方が多くて、日本は捨てたもんじゃないなと思いました。

―コウ: うんうん。我々と若い世代の決定的な違いは、生まれた時からインターネットがあるかどうかですよね。実際に体感することなく情報だけ得てしまうっていうデメリットもありますけど、福岡にいながら、例えばアフリカの災害であったり、よその地域でおこっていることをリアルタイムで知ることができる。しかも、そこに感情移入が出来るんですよ。幅広い視点で考えているから。環境のことを考え、その後未来のことを考えることができる。いろんな情報がさらされながらも、上手に取捨選択を出来てるというのが今の子達の環境のメリットですよね。

―相川: 若い子達はいろんなものに興味を持っている。 その一方で、最初に中村さんが言われたように野菜がどう作られているのか知らない子たちも多い。

―コウ: そこをサポートすることで彼らの能力が発揮できるかもしれない。我々にない発想を持った若い子たちがたくさん埋もれてる状態で、彼らの良さを引き出したり、ハシゴをかけてあげたりというのが、我々の役目かなと。

―中村: 私は移転する前まで「スピリッツオブマイスタージュニア」という中高生向けの料理教室も開催していたんですよ。料理に興味がある子どもたちに向けて、アンダー制のような感じで。そこからスピリッツオブマイスターに入学する子も結構いたんですね。料理業界を考えるなら、進路を決める直前の中高生にもアピールしなければ。

―コウ: サッカーのユースチーム的な。その発想は素晴らしいですね。

―中村: 中高生はテストや部活で忙しくてなかなか難しいのですが、今後もやるべきじゃないかなと考えています。あとうちの学校では、英会話の時間も多めに取っているんです。それで、英会話の料理教室を福岡でもできたらなと。子どもから社会人まで結構幅広い需要があるんじゃないかという気がするんです。

―池田: プロの料理人さん達と一緒に料理するとか、イベントっぽい組み立てでやってみるのもいいですね。

―中村: 楽しみながら、料理も英語も一緒に覚えることができるますよね。ぜひやってみたいですね。

若い世代の人々の考える力を育てることは、環境や教育など、社会全体にある課題の解決策にもなりそうです。異なる分野で食を見つめてきた皆さんだからこそ感じるさまざまな変化について、もう少しじっくりとお話をお聞きしてみましょう。

後編はこちら