混ざり合い、認め合うことで生まれる新たな価値。 ダイバーシティ&インクルージョンの本質を知る

2021.04.05

混ざり合い、認め合うことで生まれる新たな価値。
ダイバーシティ&インクルージョンの本質を知る

私たちのライフスタイルや価値観が変わるにつれて、働き方のニーズも多様化してきた現代。このような変化の兆しをいち早く察知し、従業員一人ひとりの多様性を受け入れて(ダイバーシティ)、認め合いながらお互いの強みを発揮し価値を生み出していく(インクルージョン)、「ダイバーシティ経営」に取り組む企業が増えてきました。西部ガス株式会社も、率先してD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)施策を掲げ、人財のもつ多様性を組織の成長につなげる取り組みを進めています。
しかし、企業にとってなぜD&Iが必要なのか。この本質を理解していないと取り組みは迷走し、望む成果を生むことには繋がりません。「それを伝えていくのが我々の役目だと思います」と話す、西部ガス人事労政部 人財活性化推進グループの森田孔太郎さん、小川周太郎さんにD&Iの必要性について詳しく伺いました。

※取材は2月に行いました。

森田さん(左)と小川さん(右)。現在は、主にお二人でD&I推進を担っています

人の可能性を信じ、個々が能力を存分に発揮できる職場づくりを

森田さん、小川さんが所属する人事労政部は、西部ガスの人財育成を全面的に担当。職位に応じた階層別研修や、キャリア開発にまつわる研修の企画開催、そしてD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を大きなミッションとしています。企業を支える「人財」に関わる仕事は、企業の活性化にも影響を及ぼす大きな責務を伴いますが、自らの仕事について話すお二人の姿は実に生き生きとして楽しそうなのです。
「そうですね。楽しく、かつ真剣にやることを一番に考えています」と、マネジャーとして業務を総括する森田さん。「自分だけじゃなくて、周りの方々にもその気持ちを感じてもらえるようにしたいですし、可能な限り新たな取り組みを行うこと、そして外向きの視点を持つことは常に意識していますね。多種多様な人が、個々の能力を十分発揮できるような職場風土の醸成に繋げていきたいです」。
森田さんの右腕として実務を担当する小川さんも、「人に及ぶ影響が大きい仕事なのでとてもやりがいがあります。人の可能性を信じて、人の強みをいかに伸ばすか。弱みや課題を改善していくことも大事ですが、それ以上に強みを伸ばしていく方が価値を生み出せると思っています」と、日々フルスロットルで課題に立ち向かっています。
お二人の仕事観には共通して、「多様性を受け入れて活かしあう」というD&Iの素地があることを実感できます。

「やりたいことがありすぎて、1日24時間じゃ足りないんです(笑)」と小川さん

属性だけではなく価値観も。違うものを受け入れてこそ生まれるイノベーション

では、なぜ今企業にD&I推進が必要とされているのでしょう。
「ひとつには時代の変化があります。日本は、戦後の高度経済成長期に製造業を中心に発展してきましたが、その時代に求められたのは、高い品質のものを均質的に生み出せる人材でした。しかし、お客さまのニーズが多様化してきた現代において、企業は同じものを作り続けるのではなく、常に新しく先進的なものを生みだしていく必要があります。そのためには、同質性の高い集団ではなく、さまざまなニーズに対応できる多様な人材を抱え、受け入れる組織にならなければなりません」と、森田さん。

ダイバーシティと聞いて、性別や年齢、国籍といった属性の多様化を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実際は価値観や文化など目に見えないものも含みます。社員の思考やライフスタイルも多様化してきた今、各々の持つ価値観を臆せず発信でき、周囲がそれを受け入れ、認め合うことができる。そんな心理的安全性の高い職場をつくっていくことで、個々の力も存分に発揮されていくのだと言います。

小川さんも言葉を続けます。「加えて、社会的な要請もありますよね。近年ではESG投資(※)などのように、投資先の企業が社会全体の持続可能性(例:SDGs)に配慮しているかを厳しくチェックする投資があります。たとえば取締役に女性がいない企業には投資しない、などのケースも増えていくでしょうし、実際に外資系の金融大手はそうした方針を示し始めています。それだけ社会的要請が強くなっているということを実感しています」。

※従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のこと

「ダイバーシティって、自分とは違うタイプや価値観の人とも一緒に仕事を進めることがあるので、最初はすごく居心地の悪さを感じる人も多いと思うんです。でも、同質性が高い集団では、同じような発想しか生まれません。あえて違うものを受け入れることで、クリエイティブな発想や新しい価値観が生まれていくのではないでしょうか」

多様性が「課題」ではなく、当たり前の「強み」となるように

D&Iの本質と必要性・重要性をいち早く理解し、西部ガスは2014年、まず女性社員の能力開発や活躍の場の増加を目的としたキャリア研修などに着手しました。さらに対象を若手やミドル層にも拡大していき、働きやすい職場風土づくりの推進役となる管理職を育成する「イクボス式マネジメント」や自職場のダイバーシティ推進について考えるワークショップ「みんなのハッスルミーティング」をはじめ、さまざまな試みを展開します。
少しずつ意識や環境の変化が生まれていき、社内で行ったアンケート調査でも「職場で多様な意見が出やすくなった」「自分の存在が受け入れられている」といった声があがるなど、一定の成果が得られているようです。

「社外の方からも『西部ガスさん働きやすそうですね』という声をいただく機会が増えました。女性の育児休業後の職場復帰も現時点で100%であり、制度としてはかなり整ってきたと思います。ただ、制度だけではもちろんダメ。経験を積んでスキルアップした力を発揮できなければ意味がないですから」と森田さん。

「それには、自分が働く企業が魅力的でなければならない」と小川さんも言葉を添えます。 「社員がいかに『この会社で働きたい』『この会社に貢献したい』『この会社での仕事を通して地域に貢献したい』と思えるかが大切なので、そういう場をつくっていくことも私たちの仕事だと捉えています」。

森田さん、小川さんが目指すのは、女性はもちろん誰もが活躍し多様性を受け入れる職場環境が、当たり前のものとしてそこにあること。あえて掲げなくても自然にお互いを認め合い、職場に誇りをもって働くことができればおのずと価値が生まれていく。「そのためにやるべき事はまだまだある」と話します。

西部ガスグループで行う最大規模のD&Iイベント「キャンディ(CanD&I)フォーラム」

さらに、今後を見据えてやるべき課題提案の大きな契機となるのが、2021年春の西部ガスグループのホールディングス化です。西部ガス社内で培ってきたD&Iの取り組みを、グループ企業にも共有していきたい。その策のひとつとして、2018年にスタートしたのが「キャンディフォーラム」というイベントです。
キャンディ(CanD&I)とは、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を可能にする」という造語。一人ひとりが異なる存在として受け入れられ、大切な一人としてその個性・能力が活かされることで、より一層活力のあるグループとなっていくことを、カラフルで様々な味や装いをしている「あめ玉=キャンディ」と「できる=Can」に重ねて表現したのだそう。
参加対象は西部ガスグループ会社の全従業員。これまで2回の開催では、約200名が一同に会し、「セルフブランディング」や「これからの働き方を考える・D&Iが生み出す価値」をテーマにした講演やワークショップに参加しました。

学びが得られると共に、グループ企業間の交流の場ともなり、「もっとこういう機会がほしい」という声が多くあがったそう

「残念ながら2020年度は諸般の事情により開催中止となりましたが、今後も継続していきます。D&Iの浸透度はグループ内企業でもさまざまだと思いますが、なぜ必要なのか、それによって職場や企業がどう変わっていくのか。キャンディフォーラムを切り口に、共有し一歩踏み出すことができたら嬉しいです」と、お二人も期待を寄せています。

組織は混ぜると強くなる。グループの多様性こそ大きな魅力

キャンディフォーラム以外にも、「イクボス式マネジメント」や「みんなのハッスルミーティング」など、グループ企業にも展開できそうな取り組みは、徐々に広げていきたいという森田さん。
「もちろん社によって状況は異なるので、まずはお話を聞かせてもらえたらと思っています。西部ガスの考え方を押し付けるのではなく、それぞれにあったものを取り入れながら、西部ガスグループならではのD&Iを生み出していきたいです」

企業内だけでなく、企業間でもD&Iを推進。多様な人財が多様な価値を生み出す、という点では、これだけの多面性を持つグループ企業だからこその利点は計り知れません。
小川さんも「様々な機会をかけあわせて、人財がしっかりと混ざり合って価値を生み出し、グループが発展していく未来を創出したいです。西部ガスグループがもっともっと元気で、地域の方々に愛されるような企業になっていくことを願っていますし、そこに向けて全力を尽くします」と将来を見据えます。

最後に、これから先、おふたりが挑戦したいことを伺ってみました。

「西部ガスグループを、世界で一番働きたい企業グループにしたいです。『絶対にあの会社で働きたい』と思われるような。そのためには、やっぱり働いている人が楽しくないといけないですよね。分かりやすく表現するなら、みんなが仕事に誇りをもって、仕事に行くのが楽しみで、ついスキップしてしまうような(笑)...そんな理想を現実にしたいですね」と森田さん。
小川さんは「若手社員がもっと挑戦できる機会や仕組みを作っていきます。社内だけでなく、社会全体でそれぞれが持つ才能を活かして輝ける場を増やしていきたい。そしてジェンダー平等をはじめ、すべての人が差別なく生きられる世界づくりの担い手になるのが夢ですね」。

視線は常に一歩先、そして未来へ。変化の時代を生きることを楽しむ挑戦者たちの眼差しは、とても真っ直ぐで温かく、希望に溢れていました。

西部ガス株式会社

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