アイデアはソウゾウのその先へ 15人の情熱がつなぐ未来への提案とは

2023.03.10

アイデアはソウゾウのその先へ
15人の情熱がつなぐ未来への提案とは

未来をつくるために大胆に挑戦し続ける「未来ソウゾウ人財」を育成する西部ガスグループ初の企業内大学「ソウゾウ大学」の第1期プログラム終了日。いよいよ大学での学びの成果となる課題解決アイデアのプレゼンテーションが行われました。評価されたアイデアは実際にPoC(実現可能性の調査・検討)へと進みます。緊張感とワクワク感が混在する中、さまざまなアイデアが飛び出しました。

プレゼンテーションを終えて清々しい笑顔の受講生と彼らの成長を見守った審査員のみなさん

中小企業や飲食店、空き家問題...
社会問題に真っ向から立ち向かう

計9回開催したプログラム。日数にしてみれば3ヶ月半ほどの短い期間の中でヒアリングや現地視察を重ね、アイデアをブラッシュアップして...と、何度も何度も推敲を続ける日々。どの受講生に聞いても「この期間は苦しかった」という答えが返ってくるほど悩み抜いた日々だったようです。

プレゼンテーションは、道永幸典学長(西部ガスHD代表取締役社長)をはじめ、西部ガスグループの経営陣や各分野の有識者など10名の審査員、そして受講生自身も評価に加わり審査されました。
まず、各チームと提案内容を一部ご紹介します。
(※文章中の受講生の名前はソウゾウ大学でのTACネームです)

中小企業のリテンションマネジメント※支援の提案を行ったAチーム。
※人材定着・確保のための取組み

左から、コーチ、なみえ、ゆうくん

佐世保の地場企業と協力してつくる、女性専用サウナを提案したBチーム。

左から、あかりちゃん、はまたく、まこ

みんなの"やってみたい"を叶える空き家シェアリングサービスを提案したCチーム。

左から、サセボゥ、けんたろー、かたさん

「食を通じて人とつながる」社員食堂に代わる福利厚生サービスを提案したDチーム。

左から、まーさん、まいち、さとちゃん

「食」を通じた新たなつながり創出を目指す、急速冷凍サービスを提案したEチーム。

左から、のだり、いまちゃん、タカハシ

いずれのアイデアも甲乙つけがたく、審査員も悩みに悩んだ様子。
最優秀賞の発表でEチームの名前が発表されると、チームメンバーの3人は抱き合って喜び、他のチームは全力を出し切った清々しい表情の中にも悔しさをのぞかせていました。

最優秀賞を受賞したEチームの喜びの表情。3人とも「冷凍」をイメージした青の衣装で登場。

15人の確かな成長への喜びと
次なる二期生への期待を込めて

各チームの発表を通して伝わってきた、濃密で充実したソウゾウ大学の日々。
講師・審査員として参加した有識者の方々に発表に対する感想と、次のステップに向けたアドバイスを伺いました。

九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター センター長 高田仁さん

新たな価値創造には当事者意識と情熱が何よりも重要ですので、各チームの奮闘を高く評価します。いずれの提案も「暖かさ」と「人に寄り添う」ところが共通していました。これは西部ガスグループの大切なDNAかもしれません。引き続き自社ならではの価値観を大切にしながら取り組むと良いと思います。

やさいバス株式会社 代表取締役社長 加藤百合子さん

ソウゾウ大学での経験が充実した時間であったことは、プレゼン時の熱い思いに満ちた素敵な雰囲気から感じとることができました。
これからは、PoCとはいえ本気で事業化することを前提に、成功するまでやり切る執念と自信が重要になります。経営層の方々の講評には事業化に外せないヒントがありました。今後は、そのポイントも含めて構想を練るとよいと思います。

㈱博報堂 第二マーケットデザインビジネスカンパニー
第二マーケットデザインコンサルティング局
局長代理(朝日町次世代パブリックマネジメントアドバイザー) 畠山洋平さん

スタート時は、質疑応答のキャッチボールもかなり手探りだったと記憶しています。後に現場に行って見聞きしたことで、課題が自分ごとになってきたのではないでしょうか。今後は「共創」がテーマになります。西部ガスグループ内外のさまざまな企業や人との掛け算を生む仕掛けがあれば持続性が出てくるはずです。人と人のつながりによって変革は大きく進むので、ソウゾウ大学でも2期生、3期生との共創が続いてほしいですね。

今回講師・審査員の皆さんからいただいたアドバイスは、今後PoCに進む受講生や第二期以降の受講生達の重要な道標となりそうです。

かけがえのない仲間と共に
次のステージを目指したい

次は発表を終えて手に汗握る興奮が冷めやらぬ受講生たちに、プログラムを終えての感想とこれからの意気込みをお聞きしました。

チームでお揃いのTシャツを携えて登場したBチームのはまたく

―はまたく(西部ガス佐世保) Bチーム:佐世保での女性専用サウナ運営
ソウゾウ大学のプログラムは、自由度が高くて楽しかったです。プログラム外でも、チームメンバーの2人がわざわざ佐世保に来てくれて、街並みを見ながら3人で話し合いました。その時間が本当におもしろくて、1人よりも3人の脳みそで考えた方がよりよいアイデアが生まれると実感しました。お客さまへの資料作りや提案などにも、今回得たさまざまな視点を取り入れていきたいですね。私が所属する西部ガス佐世保では、「当たり前と新しい一歩」というビジョンを掲げているのですが、自分がソウゾウ大学に挑戦する「新たな一歩」を見てもらえたことも大きな成果だと思います。

―いまちゃん(西部ガスリビング総務部) Eチーム:急速冷凍サービス
私たちのチームは提案がなかなかまとまらず、ものすごくきつかったです。でも、費やした時間や手間のおかげで本当によい提案ができたし、だからこそ最優秀賞をいただいた喜びは大きかった。ソウゾウ大学に挑戦して本当によかったです。それともう一つ、チームメンバーの2人がいたからこそ今日の受賞につながったと感謝しています。冷静にブレーキをかけたり、逆に引っ張ってくれたり…、2人との出会いが私の中では一番大きな収穫でした。このつながりを継続して、ますます成長していきたいと思います。

―タカハシ:(西部ガス福岡都市開発部) Eチーム:急速冷凍サービス
発表までの間、仕事中も休日もずっと発表のことを考えていました。チームの2人から自分にはない視点の意見が出て、言い合えたのは良い経験になりました。それに、誰か1人が落ち込んだとしても他の2人が引っ張ってくれるので、最後まで頑張れたのかも。気がつけば、自然と相手の不満点や改善点を考える脳みそになっていました。職場でもこれまで既存のツールで対応していましたが、これからはソウゾウ力を生かして、時代の流れに合った提案ができるのではと思っています。

自身の成長や変化を感じ、チーム内で励まし合いながら今日まで進んできた受講生達。日夜悩み抜く中で叱咤激励してくれたのは、職場の同僚や上司、そして家族だったそうです。
今まで当たり前だと思っていた仕事や周囲との関わりを改めて捉え直すチャンスにもなったようです。何より、自身の成長を願ってくれる人々の存在に気づけたこともまた、ソウゾウ大学ならではの収穫ではないでしょうか。

完走の喜びと感謝の気持ちを糧に、受講生達のソウゾウ脳は、すでに次のフェーズに向けて思考を始めています。
終わりではなく、今日が始まり。ひと回り頼もしくなった背中は、共に寄り添った事務局の人々の目にどう映っているのでしょうか。

15人にとってはここからが始まり
未来を変革する人財に育ってほしい

最後に、ソウゾウ大学事務局である西部ガスホールディングス人財戦略部の豊田康弘部長に第1期の感想と今後への思いをお聞きしました。

西部ガスホールディングス人財戦略部 豊田康弘部長

まずは、よくぞソウゾウ大学に応募して、1期生として軌道に乗せてくれたと感謝したいです。特に最後の発表は熱意・熱量がすごかった。この3ヶ月半の間に一生懸命脳に汗をかいたんだなという真剣さが伝わりました。

最優秀賞発表の瞬間。思わず涙するEチームの3名

発表内容が多岐にわたっていたことも喜ばしかったです。グループ各社から集った多様性あふれるメンバーの中で作り上げてきたことが、今回の個性ある提案につながったのではないでしょうか。

変わることを求めず、現状維持できればという考えの人もいます。しかし中期経営計画に掲げている通り、西部ガスグループがガスエネルギー事業以外の事業を拡大していくためには、未来を変革できる人財が必要になってきます。受講生の様子を見ると、その意義をしっかりとアイデアに落とし込んでいることがわかって、すごく嬉しかったですね。しかも、提案内容はシャープかつスピーディに取り掛かれるアイデアばかり。最優秀賞以外のアイデアも可能なものは検証を進めていきたいと考えています。

受講生のみなさんには、「ソウゾウプランナー」の称号を手に自分の会社や部署に戻って、ソウゾウ大学で学んだことを実践につなげ、他のメンバーとも共有してほしいです。それで壁にぶち当たったら、一期生の仲間たちで励まし合いながら壁を乗り越える。これからもきっと彼らはソウゾウできるだろうと確信しています。

まとめ

所属も背景も異なる一期生15人は、この3か月半の間で実に65社・110人と出会い、検討したアイデアは39を数えました。有識者によるインプットの時間からはじまり、街を歩いて人と会話しながら真の課題を探し、共感を得るストーリーを創り上げ、仲間と共に磨き上げる…。その集大成となるプレゼンは情熱に満ち、道永学長から「今までの会社人生で今日が一番ワクワクしました」という一言が飛び出すほどでした。
学びの場であり、自己変革、挑戦の場として立ち上がったソウゾウ大学のタネが確かに芽吹いた日。これから会社で、社会で、そして未来で、どんな花を咲かせてくれるのか。そして次のバトンを受け継ぐ受講生たちの物語を一緒にソウゾウしてみませんか?