九州発のメタネーションプロジェクト!「e-メタン」で夢のカーボンニュートラル社会へ

2025.03.31

九州発のメタネーションプロジェクト!「e-メタン」で夢のカーボンニュートラル社会へ

昨今、カーボンニュートラル社会の実現に向け、あらゆる分野でさまざまな挑戦が進められています。
西部ガスグループも、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて「天然ガスシフト」「ガスの脱炭素化」「電気の脱炭素化」の3つを柱に掲げた取り組みを推進中です。今回は、その中から「ガスの脱炭素化」に向けた実証事業『メタネーションプロジェクト』についてご紹介します。
本プロジェクトは西部ガスグループ横断的にそれぞれの部署や会社が連携し、役割を果たしながらグループ一丸となって取り組みを進めています。
今回は本プロジェクトメンバーが、未来を照らす画期的なエネルギー「e-メタン」と2030年のe-メタン導入を目指して行うメタネーションプロジェクトへの熱い思いを語ります!

脱炭素化の切り札、スゴいぞ「e-メタン」!

メタネーションとは、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を化学反応させ、都市ガスの主成分となるメタン(CH4)を生成する技術のこと。西部ガスグループでは、リサイクルされたCO2と非化石エネルギー由来の電気を用いて作った水素を原料とした合成メタン「e-メタン」の製造に挑戦しています。e-メタンを利用すると、排出されるCO2とe-メタン製造のために回収(リサイクル)されるCO2の総量が同等となるため、大気中のCO2が新たに増加することがありません。
このスゴい利点からe-メタンは脱炭素社会実現の切り札として、今注目のエネルギーなのです。

脱炭素の切り札!e-メタンの仕組み

―今西さん:e-メタンはカーボンニュートラルを達成する上で重要なエネルギーです。e-メタンの普及はガス業界全体で取り組んでいますが、現状は従来の都市ガスよりコストが高いため、価格をいかに抑えられるかが普及への鍵の一つとなっています。そこで私たちが2030年のe-メタン導入に向けて進めているのが、ここ、ひびきエル・エヌ・ジー基地で行うメタネーション実証です。この実証では、水素やCO2を複数の調達先から最適に組み合わせて調達することで、e-メタンの製造コストの抑制を目指しています。

―長谷川さん:メタネーション実証は、e-メタンの導入実現に向けたファーストステップです。西部ガスが本プロジェクトの全体を統括することで、未来への可能性を開拓していくことは当社にとって意味のあることだと思っています。ただ、このプロジェクトに関しては内容や言葉がそもそも難しいため、西部ガスグループの従業員や社外のお客さまに少しでも興味を持ってもらえるよう奮闘中です。インパクトのあるキャラクター「メタ姉さん」をプロジェクトの広報担当に据えて、より多くの企業さまや地域の方々へ向けた「e-メタン」「メタネーション」という取り組みの知名度アップ、そして活動内容の周知を行っています。おかげさまでメタ姉さんの評判もメタメタ好評です。みなさんお気軽に本プロジェクトのサイトを覗いてみてください。

プロジェクト広報担当メタ姉さん

メタネーションプロジェクトの詳細についてはこちら
https://hd.saibugas.co.jp/sustainability/environment/tcfd/methanation/

―角田さん:北部九州のエネルギー供給拠点ひびきエル・エヌ・ジー基地では、今まさにメタネーション実証を行うための建屋を工事中です。現場責任者として実証施設の設計や施工管理を、今西さんを含めた西部ガスの皆さんと密に情報を共有しながら進めています。

―今西さん:本プロジェクトは、西部ガス基地エンジニアリング部や生産部と協力し、セクションごとに連携してプロジェクトを進めています。基地エンジニアリング部には、設備などの設計図に対し、技術的な視点や円滑な現場運用のための設備仕様について協力してもらっています。生産部には、プロジェクトが始まってからの水素やCO2などの原料、e-メタンの製造量や実証設備の管理運用方法などの検討に協力してもらっています。

時代は、メタネーションの「地産地消」へ!?

e-メタンはスゴい!ということはここまでで何となく皆さんにも伝わったのではないでしょうか。そのスゴいe-メタンを活用したカーボンニュートラル社会へ大きく前進するために、西部ガスが掲げているのがメタネーションの「地産地消」モデルです。
全国の中でも再生可能エネルギーの普及が進んでいる九州は、e-メタンの原料となる余剰電力を活用して水の電気分解により製造した水素を調達しやすい場所です。本プロジェクトでは、地域の資源を積極的に活用することで、e-メタンの製造コストの大幅低減を目指しているんです。

―今西さん:地域の資源を活用してどれだけ製造コストを安くできるか。地域性を活かした施策を考えることは、地域に根ざした西部ガスの使命だと思っています。また、今回のプロジェクトには、北海道ガス、広島ガス、日本ガス、3社のガス事業者さまにも参加いただいています。今後、メタネーションの地産地消モデルが各地域で検討され、e-メタンがどんどん広がっていくことにつながるとうれしいですね。
e-メタンを低コストで製造することを目指し、地の利を生かした「地産地消」モデルを業界内で先駆けてつくっていく。そうした意味でe-メタン製造のパイオニアとなる!というのも、私たち西部ガスのミッションです。

九州独自の地産地消モデル

―角田さん:まさに、都市ガスに関するノウハウを持った西部ガスグループだからこそメタネーションをやらなければ、という強い思いはありますね。
2025年6月の運用開始を目指して、2024年11月にひびきLNG基地で設備建設に着工。現在、基礎工事を終えて建屋も完成し、基地内で働くみんなの期待も高まっています!特にガスの製造チームのメンバーは、設備の完成とともに始まる運転業務の準備にも着手したところ。私も大きなミッションに関われていることにやりがいを感じています。
カーボンニュートラルに向けた世界的な動きが進む中で、e-メタン供給は環境貢献に重要な転換点になってくると思います。

―長谷川さん:e-メタンの良い点は、お客さまのガス機器も含め現在使われている都市ガスの設備をそのまま使えるところ。都市ガスの原料となっているメタンを、環境に良いe-メタンに置き換えるということになるので、お客さまには既存のガス機器を使用していただきながら環境貢献に参加していただけるということが、メタネーションの一つの大きな意義だと思っています。
西部ガスは企業理念に「地域貢献」を謳っていますが、地域で排出されるCO2や地域で発電した電気を用いて製造した水素を原料とした都市ガスを供給することでCO2の排出が抑えられる点も、地域の皆さまにとってメリットになると考えています。

―今西さん:ただ、皆さんに「e-メタンは環境にいいですよ」と言っても、なかなか伝わりにくく、ピンとこないようで...。e-メタンの環境価値を確立し、お客さまに届けていくことが大切だなぁと実感しています。
そこでカーボンフットプリント(ある商品やサービスが温室効果ガスをどれだけ生み出しているかを示す指標)や原料の原産地証明など、環境価値を見える化するための証明を発行してはどうだろうと考え、同時に取り組んでいるところです。証明書の発行は西部ガスの環境への貢献を伝えるとともに、e-メタンのPRにも有効です。つくったe-メタンをお客さまに供給し、証書まで発行するという一連の仕組みづくりも本プロジェクトの目的の一つですね。

【ひびきLNG基地/メタネーションプロジェクト実証エリア】
メタネーションプロジェクトのため、現在ひびきLNG基地内にメタネーション実証設備を建設中。2025年6月にはe-メタンの供給(実証運転)を開始する予定。

まとめ

エネルギー企業として石炭由来のガスから石油由来のガス、そして天然ガスと、時代に合わせて燃料を切り替えながらガスの供給を続けてきた西部ガス。次のミッションは、脱炭素社会に向き合うこと!解決に向けた具体策を掲げて、率先して取り組んでいきたいと考えています。
西部ガスでは2030年に都市ガスの販売量のうち1%のe-メタンを導入することを目標としていますが、まずは2025年6月に本メタネーションプロジェクトで製造されたe-メタンを含む都市ガスを供給していく予定です。毎日、何気なく使っているガスが脱炭素に貢献していると知っていただくことで、カーボンニュートラルを身近に感じていただくきっかけになればうれしく思います。