「つぶやき」でつながる家族と地域。30回目を迎えた小学生詩作コンクール

2025.08.07

「つぶやき」でつながる家族と地域。30回目を迎えた小学生詩作コンクール

「地球のことば 子どものつぶやき」は、西部ガスグループが1997年から主催している詩作コンクールです。詩の創作を通じて子どもたちに自然や環境への関心を高めてもらい、あわせて創造力・表現力を育むことを目的としており、毎回多くの応募をいただいてきました。
そのコンクールが今年、節目となる30回目を迎えます。第1回から審査員を務めていただいているフリーアナウンサーの林田スマさん、西部ガスホールディングス総務広報部 広報戦略グループの野口知佳さんにこれまでの歩みを振り返ってもらいながら、改めて活動の意義を語ってもらいました。

子どもたちがつぶやいた言葉を真ん中に 生まれる家族の喜び

作品は西部ガスグループの事業エリアである福岡、熊本、長崎の各県に在住する小学生を対象に募集し、これまでに8万編を超える応募が寄せられました。審査を経て選ばれた優秀作(50編)を毎年詩集にして、小学校や図書館のほか点訳・音訳を行った上で点字図書館や視覚特別支援学校にも寄贈しています。

歴代の詩集。子どもの個性を表すように色とりどりの表紙に

―林田さん:子どもたちの心の中の「つぶやき」を長くても短くてもいい、言葉にしてごらんなさいというのは、なんて自由で伸び伸びとしたコンクールなのだろうと思いました。百道浜(福岡市)の「西部ガスミュージアム(2003年閉館)」で行われた第1回の表彰式の際、優秀作を朗読させていただいたのですが、ご家族の喜びに溢れる様子は今も鮮やかに蘇ってきます。子どもたちがつぶやいた言葉を真ん中にして、ご家族を喜びに包んでいく。こういう取り組みをはじめた西部ガスグループってすごいなと感動しました。

―野口さん:今は最優秀賞と審査員特別賞の受賞者を個別表彰する形になっていますが、私も表彰の場におうかがいする機会があります。本人はもちろん保護者の方や先生方にも大変喜んでいただいており、林田先生の言われるように子どもたちのつぶやきを中心に周りの方に喜びや感動が広がっていくのは、このコンクールの醍醐味だと感じます。

―林田さん:ネーミングもいいですね。作文や感想文は苦手という子どもたちも「つぶやき」と言われると、伸び伸びと言葉が出てくる。審査に関わらせていただく中では知人の娘さんが受賞し、数年するとその妹さんが受賞したこともありました。今では彼女たちも母親になり、その子どもたちが応募しているかもしれません。「西部ガスグループビジョン2030」のキーワードは「つながり」ということですが、このコンクールは子どもと家族、親と子をつなぎ、西部ガスグループとのつながりも生んでいると思います。

子どもが思いを発信する貴重な機会

子どもたちは日々の生活を送りながら、さまざまな感情が芽生えては消えていきます。ただ、その思いを言葉にする機会がなければ、形として残ることはありません。林田さんは、この活動が子どもたちのみずみずしい感情をすくい上げる場になっていると言います。

―林田さん:子どもたちは心のつぶやきを言葉に落とし込んでいく過程で、それまでぼんやりとしていた感情を確認していきます。お母さんのことを書いてみようと思ったら、お母さんのことを一生懸命に考えますよね。対象と深くつながる体験は、表現力や創造力を養う上で大切なことだと思っています。

―野口さん:つぶやく言葉も本当に多様ですね。林田先生が以前「子どもたちのつぶやきは、まさに時代を映す鏡だ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

―林田さん:この30年間の出来事を書き出してみたのですが、豪雨災害のあった年には雨に関するつぶやきが、オリンピックがあった年には運動やメダルなどのつぶやきが増えます。私たちが考えている以上に子どもたちは社会や世界を見て、感じ、それを言葉にする力があるんです。一方で家族への愛情、友達や先生への感謝など時代が変わっても毎年のように書かれ続ける言葉もあります。つぶやきの一つ一つが家族や社会へのメッセージになっていて、読んでいると多くの気付きがある。私たち大人は、その声にもっと耳を傾けないといけないのではないでしょうか。

林田さんが印象に残っている作品の一つに挙げる「地面」(第1回優秀作)

―野口さん:審査会で作品を読んでいるとハッとすることや、感動してウルっときてしまうことが本当に多いんです。その作品を書いたお子さんの保護者や担任の先生であればなおさらでしょう。10年後、20年後に「あの時はこんなことを言っていたね」と振り返ることができ、作品はお子さんの心の成長の記録にもなっていると思います。

活動は「企業の良心」 大きな付加価値に

毎年制作される詩集には挿絵が添えられており、現在は障がい福祉サービス事業所「工房まる」、「ひまわりパーク六本松」に所属するアーティストの方に描いていただいています。障がい者の芸術文化活動を支援し、幅広い個性が表現される場としても広がりを見せています。

―林田さん:詩集の内容も少しずつ充実していますよね。作品の一部には受賞者が実際に書いた字が使われるようになり、本人の息遣いまで聞こえてくるようです。企業は利益を追求し、目の前のステークホルダーに向き合わなければなりませんが、西部ガスグループはその先にいる子どもたちにも目を向けている。自然や人間の本質を捉えた子どものつぶやきは地球や自然からのメッセージにも聞こえます。そこに企業として、社会としていかにあるべきか、ヒントが隠されている気がします。この活動はそのくらい意義のあるもので、西部ガスグループの「良心」であり、企業としての大きな付加価値になっていると思います。

―野口さん:林田先生には「『つぶやき』は本当に素晴らしい取り組み」と常々言っていただき、私たちに大きな勇気を与えてくれています。作品募集にあたっては各市町村の教育委員会さまに協力いただいており、この取り組みを応援してくださる小学校の先生からは夏休みの課題として活用していただいています。募集のチラシを置いてくださる施設や店舗の皆さまなど本当に多くの方の協力があるからこそ、ここまで続けてこられたのだと実感しています。

―林田さん:30年間も続いているコンクールは多くありません。ここまで続いているのは西部ガスグループの温かく、自由で、伸び伸びとした社風も影響していると感じます。この企画が始まった時、当時の田中(優次)広報室長(元相談役)が楽しそうに準備されていた姿を思い出すのですが、スタッフの皆さんも「この企画に関われて幸せ」とおっしゃるんです。だからもっといいものにしようと創意工夫が生まれる。私も皆さんとの審査を毎年楽しみにしているんです。

グループ3社が新たに主催者へ 広がる取り組みの輪

多くの方に評価され、応援されているこの取り組みを広く知っていただきたい。西部ガスグループではさらなる認知拡大に向けて動いています。これまでは、西部ガスホールディングス、西部ガス、西部ガス熊本、西部ガス長崎、西部ガス佐世保でこの活動を行ってきましたが、2024年度にはグループ会社の島原Gエナジー、大牟田ガス、久留米ガスが主催者として加わり、告知や表彰などで連携を深めました。

―野口さん:3社の働き掛けによって島原市、大牟田市、久留米市の教育委員会さまからも新たに後援を得ることができました。大牟田地区においては、教育委員会さまのご厚意で受賞者5人が市長を訪問し、受賞報告をする機会をつくっていただきました。さらに2024年度は各地域のグループ会社からも担当者を出してもらい、審査や告知活動に加わってもらっています。各社が地域で培ってきたネットワークのおかげで、取り組みの輪が広がっていると感じています。

―林田さん:この活動で得られる喜び、価値を多くの人たちと共有していくことで、つながりはじわじわと広がっていくと思います。知ってもらうことは大切ですが大々的にアピールするのではなく、自分たちの子どもを育てるようにじっくりと、温かい気持ちで取り組んでいってほしいですね。

―野口さん:担当者になって作品を読んで感激し、表彰の場で多くの方に喜んでいただいている姿を目の当たりにして、地域貢献の素晴らしさ、大切さを肌で感じました。過去の優秀作品はホームページで閲覧できますので、ぜひ一度目を通していただけると嬉しいです。きっと、何か感じるものがあると思います。

まとめ

多くの方に愛され、応援されてきた詩作コンクール「地球のことば 子どものつぶやき」。この活動に関わる方々とのつながりを大切にしながらグループ一体となって子どもたちの「つぶやき」を見守り続けていきます。節目となる第30回の作品募集も6月18日から始まりました。多くの方に応募していただき、喜びの輪がさらに広がっていくことを願ってやみません。

「地球のことば 子どものつぶやき」はこちら
https://hd.saibugas.co.jp/kids