2026.03.02
中期経営計画のカギは「人的資本経営」。従業員と企業、互いの成長と成果アップを目指して
近ごろビジネスシーンでよく耳にする「人的資本」という言葉。これは、企業が人財をコストではなく資本として捉える「社員一人ひとりの成長こそが企業の成長を生み出す」といった考え方のことです。 西部ガスグループでも中期経営計画「ACT2027」において、この人的資本経営の強化を掲げています。今回は、西部ガスグループの「人的資本経営」とはどのようなものなのか、またなぜ今「人的資本経営」に注力するのかを人財戦略部 人財戦略グループの2人に語ってもらいました。

西部ガスグループが考える「人的資本経営」とは?
―櫛山さん:「従業員の成長が企業の成長につながり、地域社会の発展に還元される」という、地域社会の成長までを含めた考え方です。 西部ガスグループの中期経営計画「ACT2027」では、資本コストを意識した利益の最大化、企業の価値向上を目指して「資本コスト経営」「サステナビリティ経営」「グループネットワーク経営」が重点的な取り組みとして設定されています。それらの達成と成功に欠かせないのが、従業員一人ひとりの挑戦と成長を支える「人的資本経営」です。
中期経営計画の中では「従業員と企業が共に成長し、双方の価値を最大化する」という理想を描いています。企業が成長していくためにも、従業員一人ひとりが成長していくための学びや挑戦、働く環境の整備に企業としてしっかり投資していきたいと考えています。
―内本さん:これまでも西部ガスグループは人を大切にし、採用や人財育成、キャリア支援、健康経営の推進など、さまざまな施策を進めてきました。ただ、それぞれが個別に取り組まれていたため、従業員にとっては全体像が見えにくく、活用しづらい部分もあったのではないかと思います。 今回、中期経営計画内で、改めて「ヒトが大事」という企業の考えを社内外の皆さんへ伝えられたこと。また、分散していた人財戦略がひとつになり、人的資本投資をしっかり行う企業体制を整えていくというメッセージを伝えられたのは大きいですね。
▼西部ガスグループ 中期経営計画と「グループ人財戦略」体系図
人的資本レポートを基盤に、組織課題の可視化へ
―櫛山さん:グループが一丸となって成果の最大化を達成するには、働いている一人ひとりが主役として力を発揮できるかが大切です。今回、人的資本の現状を可視化し、グループとしての方向性を明確にするための基盤として「西部ガスグループ 人的資本レポート2025」を作成しました。レポート作成は、準備期間などを含めると約1年かかりました。現状をきちんと整理できたことや、作成を通して、西部ガスグループの良さを再認識できたことは良かったです。一方、人的資本経営の推進に必要な、経年データの不足や、エンゲージメントと生産性指標の関係性をどう示すかといった課題も見えてきました。
今回、我々がどんな人的資本経営を描き、どんな人財戦略に取り組もうとしているのかを社内外の方にレポートで示せたことで、外部の方と教育体系などについてお話しする際もとてもスムーズになりました。レポートを作成して終わりではなく、今後も社内外で連携を密にしながら各KPIや生産性指標をモニタリングしていきたいと思います。
エンゲージメントを高めるための取り組みとして、当社グループは3つの重点テーマを掲げています。
1つ目が「経営戦略に連動する人財施策の実践」です。いわゆる採用・配置・育成という部分ですが、どのような人財をどう配置するのが良いか。将来を見据えて経営人財を育てたり、高い専門性を有する人財を育成していくための取り組みです。
2つ目は「挑戦を通じた成長支援」です。こちらは多様な挑戦とキャリア自律の支援となっています。従業員が自ら学びたい、挑戦したいという想いを実現できる場や機会をしっかり作っていくことで、皆さんの成長を支援していきます。
3つ目は「価値創造を加速する組織基盤の強化」です。こちらは「DE&Iの推進」や「健康経営の推進」になります。ライフスタイルや考え方が異なる人が一緒に働いている中でも、健康的かつ働きがいを持って活躍できる環境をつくっていきます。
従業員が安心して挑戦できる環境づくりには、会社だけでなく地域や家族とのつながりが重要です。西部ガスグループは、地域に根差し、家族の支えのもとで一人ひとりが自分らしく活躍できることを大切にし、そのつながりが働く意欲とエンゲージメント向上につながると考えています。
▼「子どもお仕事参観デー」
「子どもお仕事参観デー」では職場見学などを通して、日頃とは違う家族の一面に触れ、仕事への理解と家族のつながりを深める機会となりました
3つの視点でエンゲージメントを確認 従業員エンゲージメントスコア65%以上へ
―内本さん:これまで西部ガスグループでは「働きやすい」職場づくりに取り組み、一定の成果を上げてきましたが、2025年度からはエンゲージメント調査を導入し、より具体的に会社や職場の課題の可視化を行っていきます。
「仕事」は、一人ひとりが仕事の意義を理解し、やりがいを持って働けているか。「職場」は、職場の目標実現や成果創出に向けて自ら貢献したいと思えているか、また上司を含め人間関係が良好か。「会社」は、会社の事業内容や方向性に共感できるか、将来に期待できているか。...という3つの観点で従業員エンゲージメントを分析しています。
トップが考えを示すだけでなく、言葉として伝え、行動で示し、発信していくことが働く人のエンゲージメントアップにつながると考えています。社長自らが『卓二の部屋』というコンテンツの中で、自身の考えを発信する取り組みは、安心感と共感の醸成につながっています。
▼社内WEBサイトで人的資本経営について発信
社内WEBサイトのコーナー『卓二の部屋』で社長自身が思う「人的資本経営」について発信。人財戦略部のメンバーと共に今後の展望や活動を語っています
―櫛山さん:今年、人的資本経営の新たなコンセプトに「安心を挑戦に、挑戦を次の安心に」と立てましたが、このワードは経営層の皆さんにも賛同いただき、決定しました。
これまで、会社が「挑戦」を掲げていても「安心が大事」と言う人や「挑戦が大事」と言う人がいて、「安心」と「挑戦」が別物になっているような感覚があったんです。ですが、今回コンセプトを考えていた時、インフラを支えている企業である我々が地域と築いてきた信頼とか、安全を守っている従業員の力とか、安心という確かな土台の上に挑戦が成り立っているということに気づいたんです。安心のおかげで挑戦できる。挑戦しているメンバーも、安心によってより良いものを生み出すことができ、その新たな挑戦が次の安心へつながっていく。こうした理由から、「安心」と「挑戦」を切り離さず、対となるコンセプトとして位置づけました。
人財戦略部では安心を支えるための体系をつくりますし、挑戦を後押しするための教育などを提供していきたいと思います。
―内本さん:今回、初の試みとして人的資本経営に触れる「人的資本WEEK」を実施しました。これまでもダイバーシティに特化したWEEKはありましたが、人的資本全体を従業員に知ってもらおうということで、エンゲージメントや健康経営についての内容も取り入れて行いました。期間中は、グループ各社社長にもお集まりいただき、エンゲージメント調査をはじめ人的資本関連調査の結果をフィードバックし、各社での具体的な施策について考えるワークを行いました。
▼「人的資本WEEK」
グループ各社社長が一堂に会し、エンゲージメント調査など人的資本関連調査の結果を共有しました
―櫛山さん:2027年度の目標とする従業員エンゲージメントスコアは65%以上。 また、挑戦指数は全国平均と比べても高く、挑戦していこう!という前向きな雰囲気が感じられました。社長が挑戦を呼びかけたり、管理職の皆さんが後押しをしてくれたり、数字だけでなく、周囲の声や表情からも意欲を感じる場面が増えた実感もあります。
―内本さん:「挑戦」を大切にしたいと言っているからこそ、人財戦略部が一番挑戦して、失敗も次につながる経験として前向きに捉えていく文化を作っていきたいです。
まとめ

西部ガスグループでは、企業で働く従業員が幸せに働きながら成長できるよう、人財への投資をしていきます。それによって従業員の成長や働きがい、幸福度の向上を目指します。
しかし、企業のゴールはそこにとどまりません。「人的資本経営」を通じて従業員が成長することが企業の力となり、その成長から生まれる成果やサービスが地域社会の発展へとつながっていく。西部ガスグループはそういった好循環の実現を目指していきます。
「西部ガスグループ人的資本レポート2025」はこちら
https://hd.saibugas.co.jp/ir/management_info/pdf/human_capital_report2025.pdf
