トップコミットメント
近年、企業が社会や環境に及ぼす影響に対して責任ある行動をとることが強く求められています。西部ガスグループは、社会課題に向き合い、持続可能な社会における“ありたい姿”を実現するために「西部ガスグループビジョン2030」を掲げ、グループ一丸となって、サステナビリティやESGを意識した経営を推進しています。
本年度は、ビジョン達成への道標となるグループ中期経営計画「Next2024」が最終年度を迎えます。その進捗は、概ね順調に推移しておりますが、計画に掲げた経営指標の着実な達成に向け、引き続き気を引き締めてグループ競争力の強化と経営の効率化に取り組んでまいります。
西部ガスグループビジョン2030実現に向けた進捗と展望
エネルギーとくらしの総合サービス企業グループとして、より良い未来の実現をリードするには、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した経営が何より重要と考え、様々な取り組みを推進しております。その中核となるビジョンの3つの戦略について、次の通りご報告いたします。
- 戦略1地域のカーボンニュートラルの実現に率先して取り組みます
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ガスエネルギー事業を中核とする企業グループとして、地域のカーボンニュートラルに貢献し、リードしていくことを使命であると強く認識しています。その取り組みの方向性として、「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」に3つの柱を掲げ、これを実現するためのアクションプランに沿って低・脱炭素化を進めています。
まずは、トランジション期(脱炭素への移行期)の旺盛な産業用途の天然ガス需要に対応すべく、インフラ基盤整備等を推進するエネルギー需給本部を新設し、安定供給体制の強化のもと、石炭・石油から環境性に優れた天然ガスへの燃料転換を進め、お客さまと共に低炭素化を目指しています。
また、次世代のエネルギー「e-methane(合成メタン)」は、都市ガス導管等の既存インフラを有効活用でき、効率的にガスの脱炭素化ができるため、都市ガス業界のカーボンニュートラルの切り札として期待されています。2023年12月には、当社グループのひびきLNG基地にて、産学官連携で検討を進めていた「メタネーション地産地消モデルの実証事業」を開始しました。この事業を通じて、環境価値の創出に大きく貢献できると確信しています。
さらに、再生可能エネルギー普及拡大については、太陽光・風力発電を中心に進めておりますが、本年3月には地熱発電事業に初参画を行うなど、再エネ電源取扱量の2030年目標20万kWに向けて、新たな展開にも取り組んでいます。今後も、新たなサービスの創出や、最新鋭のLNG火力発電方式を採用した「ひびき発電所」の2026年3月の運転開始など、電源の脱炭素化に貢献してまいります。
- 戦略2サステナブルな暮らしや地域社会を支える価値を共創します
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福岡市をはじめ九州各地では、再開発による設備投資が数多く進められています。当社グループもまちづくり等の都市開発への参画や、食事業等の活性化を通じて、地域の人やビジネスのつながりを生み出す「コミュニティづくり」にも積極的に関わっていきます。ステークホルダーとの連携による多様な暮らしのサービス共創や、既存事業のお客さま情報を有効活用することで、エネルギーを軸としたソリューションを強化してまいります。さらに、保安の高度化とデジタル技術を推進し、サステナブルな暮らしや地域社会を支え続けます。
- 戦略3未来志向で価値創造の基盤を強化します
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当社グループは地域のみなさまとの「つながり」を広げ、信頼関係を築いてきました。これまで培ってきたお客さまとの信頼関係は、私たちの財産であり強みです。この価値を最大化するため、未来志向でお客さまの豊かな生活を支える製品やサービスを提供致します。
そして、つながりを深め多様性を高める人財戦略を推進するため、2023年3月「西部ガスグループダイバーシティ宣言」および「西部ガスグループ健康経営宣言」を行いました。なによりも従業員に活力があることが、お客さま満足を高める近道と信じ、「失敗を恐れずに挑戦する文化」を醸成・浸透させ、人的資本の強化を図ります。
持続可能な社会の実現に向けて
当社グループは、経営理念である「地域貢献・責任・和」を軸に、環境・社会への影響をより意識した戦略と、一人一人が責任を自覚しグループ一丸となってコンプライアンスに取り組むことを念頭に、日々業務を進めてまいりました。今後も、失敗を恐れず果敢にチャンレンジし、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
2024年6月