生物多様性
西部ガスグループでは、環境負荷が大きく、生態系に影響与える恐れのある事業を計画する際には、必要に応じてアセスメントを行って影響把握を行い、生物多様性への影響の回避、低減に努めています。
マテリアリティの管理領域として以下を特定しています。
- ●生物多様性への配慮
- ●水の保全
方針
西部ガスグループは、西部ガスグループ環境基本方針に基づき、生物多様性の保全に取り組みしています。
西部ガスグループ環境基本方針 より以下抜粋
西部ガスグループは、事業活動が環境と深く関わっていることを認識し、さまざまな活動を通じて、地域社会の発展及び地球規模での環境保全に貢献します。環境保全推進活動については、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」の中で報告・審議し、重要事項は取締役会に報告します。
指針3
地域の環境保全活動への貢献
地域社会活動への参画、生物多様性への影響の回避または低減の取り組み、及び環境に関する情報提供を通じて、地域の環境保全活動に貢献します。
体制
環境推進体制
西部ガスグループは、「サステナビリティ委員会」※の中で、環境マネジメントの強化を図り、環境目標に係る環境保全活動の推進、進捗管理、対策の検討などを行います。
※サステナビリティ委員会については、「サステナビリティ・マネジメント」をご参照ください
取り組み
生物多様性への配慮
外部機関との連携:海の生物多様性の保全に向けたマイクロプラスチックごみ拾い
2025年2月福岡市東区の香椎浜海岸にて、一般社団法人「くらげれんごう」さまの協力を得て、西部ガスグループ社員とその家族による海岸清掃活動を行いました。今回は、特に海を汚したり、魚が誤飲したり問題となっているマイクロプラスチックに着目して、清掃活動を行いました。事前に、世界の海には1.5億トンものプラスチックがあることやマイクロプラスチックがどこからきて、どのように見つけることができるのかなどのレクチャーを受けたうえで、美化活動に取り組みました。
美化活動では、日用品が小さな破片となった「マイクロプラスチック」をたくさん拾いました。プラスチックは分解されないため、海を汚したり、魚が誤飲したり問題となっています。
都市部不動産の生物多様性保護
不動産事業分野の西部ガス都市開発では、街づくりにおいて、生物多様性に配慮した事業活動を行う事が重要であるととらえ、街に潤いを与える新たな緑の創出に努めています。
開発物件の福岡市「祇園NKビル」は竣工の2018年から、グループ会社より事業継承により取得した福岡市「TERASO」は竣工の2014年から、壁面緑化や外構への植樹等、緑化を実施しております。建物1階部分壁面を緑化することにより、通行人へ安心と潤いをお届けしています。都市やご家庭の「緑化」を通して、生物多様性の維持と保護に取り組むことはもちろん、テナント、入居者へ心地よい空間を提供しています。
また、グループ会社「ファイブ」独自の壁面緑化システム、「ウォールグリーン『チェリッシュ』※特許取得」は、広く皆さまが実用化しやすく計画できるような取り組みを行っています。
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※ウォールグリーン『チェリッシュ』についてはこちらをご覧ください
https://five-net.co.jp/greenwall/cherish.html
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オフィスビルの壁面緑化
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物流倉庫の外構の芝生緑化
ひびきの森緑化活動における生物多様性の保護
西部ガスグループは、2030年を目指して、北九州市若松区のひびきLNG基地及び周辺用地の90万m2に、その地に生息する生物の多様性の保護を念頭に20万本を植樹し、森につつまれた総合エネルギー基地を創る「ひびきの森計画」を2013年度から進めています。

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グループ社員とその家族でどんぐりを採取し、ひびき基地内のナーセリーで苗木に育て、ひびきLNG基地周辺を中心に植樹しており、2023年12月までに約15万3000本の植栽を完了しています。どんぐりをはじめとする照葉樹林は、西日本に潜在植生しており、どんぐりを食べる動物や野鳥の生態系保護や、根を深く地中に降ろすため土地の崩壊を防ぎ保水力が大きいと言われています。
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また防潮風林は、地域本来の植生種を高密度で植えることで、苗木が競争しながら良く育ち、枝葉も早く茂る工夫をしています。自然の樹林地を模して、中心部と林縁部で構成しています。クロマツは、海岸林として外側に採用し、海岸の潮風の影響による被害を最小限に抑え、内側はどんぐり等を採用しひびきの森の生態系を保全しています。

製造所における希少植物の観測
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北九州市若松区のひびきLNG基地には、準絶滅危惧種の「ミゾコウジュ」の生息が確認されたため、この保護を目的とし2017年に播種し管理を行っています。雑草の繁殖により自然淘汰されぬよう、手刈りで慎重にミゾコウジュの周囲を除草しています。今後も専門家の指導・助言を得ながら、生育状況についてモニタリングし、生物多様性への取り組みを進めていきます。
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ミゾコウジュ(春)
山女魚(ヤマメ)放流活動
- 西部ガス(北九州地区)は、生態系保全活動の一環として、山女魚の放流を1996年から25年以上に渡って実施しています。放流は、年に2〜3回、山女魚釣りの解禁時期に山間部にて実施し、西部ガス渓流釣りクラブと地元の養魚場の協力の下、毎回約20人が集まり、千数百匹の成魚と稚魚を放流しています。
放流時には釣り大会も開催し、放流地域の方々との交流も深め、放流地域の環境保全に取り組んでいます。 -

放流風景
西部ガスグループ油山研修所の森 初の「自然共生サイト」認定を取得
- 2025年9月、西部ガスグループ油山研修所の緑地が、環境省による「自然共生サイト」に認定されました。
本研修所は、福岡市南部・油山のふもとに位置し、豊かな自然環境の中で従業員の研修や交流の場として活用されています。敷地内には樹木や草地、小川、湿地が広がり、都市近郊にありながらも里地里山の生態系が保たれています。
中央を流れる小川は博多湾へとつながる河川の上流にあたり、せせらぎの音は訪れる人々に癒しと安らぎをもたらします。また、四季折々の植栽が施されたアプローチは、研修生の感性を育む「文化的サービス」としての役割も担っています。
今後は、当該緑地を活用した環境教育の推進や、地域における生物多様性の保全・つながりの場としての機能強化に取り組んでまいります。 -

■施設周辺の環境
油山は、標高597mで、天平年間にインドから渡来した清賀上人が山に茂っている ツバキの実 から、灯火用の油を搾ったことに由来しており、現在は山頂付近に市民の森が整備され、山頂付近は雑木林、中腹はスギ・ヒノキ林、山麓はシイ・カシの照葉樹林が広がっています。
■施設区域内の主な植生
区域内の自然林における植生は、シイ・カシ二次林、タブノキ−ヤブニッケイ二次林、クス植林、スギ・ヒノキ植林です。
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[油山研修所の森PDF:4.78MB]
■活動とモニタリング
グループ会社のファイブにて、樹木等の維持管理を1991年から30年以上に渡り続けており、2024年からは有識者の助言をいただきながらグループ従業員にて動植物調査を行い、約199種(2025年11月)の樹木や昆虫、鳥類が確認されています。
また、小川ゾーンでは、きれいな川に生息するトビケラ(幼虫)、カワニナを確認しています。
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・モニタリング場所は、5つのゾーンに分けて実施
@湧水小川ゾーン
Aスギ・ヒノキゾーン
B湿地ゾーン
C広葉樹二次林ゾーン
D植栽ゾーン・2025年10.11月の調査時に発見された主な動植物など
【植物】マダケ、キカラスウリ、ノゲシ
【鳥類】フユドリ、ジョウビタキ
【昆虫類】キチョウ、ナナフシ
【その他】ゴカイの仲間 
実をつけたキカラスウリ

秋の観察会
水の保全
水リスクへの対応
水ストレスの影響評価
当社グループでは、LNGの気化など、さまざまな用途で水資源を利用しており、水の有効活用が重要であると考え、拠点における水リスクの影響評価を行っています。2021年度から、毎年WRI(世界資源研究所)が発表した水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツールの1つであるAQUEDUCTを用いた評価を行い、当社グループの事業所全拠点が存在するエリアが水ストレスの中以下の地域であることを確認しています。
水リスクの評価
| 水リスク | 地区 | 都市 | 事業場数 |
|---|---|---|---|
| 低 | 福岡県 | 福岡市及び近郊 北九州市及び近郊 |
2 4 |
| 長崎県 | 長崎市及び近郊 | 1 | |
| 低〜中 | 福岡県 | 福岡市及び近郊 北九州市及び近郊 久留米市 大牟田市 |
72 23 4 7 |
| 熊本県 | 熊本市及び近郊 玉名市 |
14 1 |
|
| 長崎県 | 長崎市及び近郊 佐世保市及び近郊 島原市 |
12 7 2 |
|
| 山口県 | 下関市及び近郊 山口市及び近郊 |
8 3 |
|
| 大分県 | 由布市及び近郊 | 1 | |
| 東京都 | 都内 | 2 | |
| 中〜高 | ー | ー | 0 |
| 高 | ー | ー | 0 |
| 極めて高 | ー | ー | 0 |
規制基準の遵守
当社グループは、水質汚濁防止法や自治体の条例等に適切に対応しております。
水使用量・排水量の管理
事務所全般で使用する生活水については、使用量を把握のうえ、センサー付きの水栓の採用、従業員の節水意識向上等により、水使用削減に取り組んでいます。
排水に関しても、水質汚濁防止法等の法令や自治体の条例等に基づき、適正に水質管理を行っています。
水資源への配慮
水ストレスが「低、低〜中」と評価された地区の事業場163拠点について、2024年度の取水量は471千m3(海水は除く)、水消費量は121千m3でした。
- ※消費量の差異は主に西部ガステクノソリューションの下水減免量(施設での蒸発量)
水ストレス地域における取り組み例
地下水保全:水田オーナー制度(熊本市:水ストレス低〜中)
西部ガスグループが事業を展開する熊本地域の水ストレスに対する取り組みの一環として、公益財団法人くまもと地下水財団※が推進する熊本市の地下水涵養事業に、2015年より参画しています。
熊本地域の地下水は、私たちの生活や産業に欠かせない地下水となっています。雨や河川から田んぼに供給された水は、米づくりの間、田んぼに常に水を溜めているため、畑のように雨が降ったときだけでなく絶えず地下に水を浸透させ、たくさんの地下水を育んでいます。米づくりが継続されることで、田んぼが守られ、それが地下水を守ることにつながります。
- 近年、様々な社会的背景によって、地下水を育む田んぼが減少しており、つくられる地下水の量も減ってきています。
地下水保全の具体的取り組みとして、西部ガスグループは同事業が推進する水田オーナー制度に参加しています。
水田オーナー制度とは、水田を持つ農家の方と水田オーナーとなる企業・団体がともにお米作りをすることで、熊本地域の地下水保全に資する取り組みです。田植えや稲刈りの時期には、社員やその家族が参加し、農村交流の機会を創出する非常に有意義な活動となっています。 -

田植え
- ※熊本地域の地下水を取り巻く環境を、調査研究等の成果を踏まえ、効率・効果的な地下水保全対策の実施に取り組み、地下水環境の改善を図るための地下水保全組織。
水資源のリサイクル
農産物の水耕栽培及び販売事業を行っているエスジーグリーンハウスは、2007年に、西部ガスグループが持つ遊休地で新たな農業「水耕栽培」をスタートさせました。主力商品であるレタスの「うるおい野菜」は、キレイな水の流れる栽培プールで育ちます。タンクの中の養液がポンプで吸い上げられ栽培プールへ。栽培プールでは、うるおい野菜が栄養分を吸収し、タンクに戻った養液には不足した栄養分を補給。少しの水もムダにしない、環境にやさしい循環システムです。
栽培時に農薬を使う必要がないので、有害物質を出さず、周辺環境へのダメージを抑制し、更に栽培用の養液として使った水は、殺菌・追肥しながら循環するシステムを取り入れて取水・排水量を削減し、水資源のリサイクルにも取り組んでおります。
イニシアティブへの参加
生物多様性のための30by30アライアンス
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「30by30」とは、2030年までに地球の陸地と海域の30%以上を健全な生態系として保護することを目指す国際的な目標です。生物多様性の損失を食い止め、地域資源の保全や持続可能な管理を進めることで、地球規模での生態系の健全化に貢献することを目的としています。
この目標の達成に向け、日本では企業・自治体・団体・個人が連携する「30by30アライアンス」が設立され、オールジャパンでの取り組みが進められています。
当社は、2025年9月に「油山研修所の森」が自然共生サイトとして認定されたことをきっかけに、このアライアンスへ参加しました。今後も地域資源の保全と持続可能な管理を通じて、生態系保全に貢献し、自然と共生する社会の実現を目指してまいります。 -
認証制度を取得した商品の生産・販売
GAP認証(エスジーグリーンハウス)
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西部ガスグループのエスジーグリーンハウスは、JGAP認証を取得しています。JGAP(Japan Good Agricultural Practices)認証は、日本GAP協会が定めるJGAP基準に沿って、食の安全や環境保全など、持続可能な農業経営に取り組む農場に与えられる認証制度です。SDGsの17の目標とも親和性が高く、生物多様性の維持を含む環境保全型農業を基本とした持続的な農業経営を実現するものです。
- ※JGAP認証農場のマークの下の登録番号は、エスジーグリーンハウス株式会社の番号です
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福岡県ワンヘルス認証制度認定(エスジーグリーンハウス)
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西部ガスグループのエスジーグリーンハウスは、福岡県ワンヘルス認証制度に認定されています。この制度は、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を一つの健康と捉え、一体的に守っていくという「ワンヘルス(One Health)」の理念に沿って生産される農林水産物等を認証する制度です。
- 福岡県ワンヘルス推進ポータルサイトはこちら
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