生物多様性(自然資本)

考え方

西部ガスグループは、自然資本を事業継続と地域社会の持続的な発展を支える重要な基盤と認識しています。エネルギー事業や不動産事業、食関連事業は、水資源や土地、森林、生態系などの自然資本に支えられています。
また、自然資本の劣化や生物多様性の損失は事業活動のリスクとなる一方、新たな価値創出の機会にもつながると考えています。
当社グループでは、生態系への影響が懸念される事業について必要に応じて環境アセスメントを実施し、生物多様性への影響の回避・低減に努めています。今後も、安全・保安や脱炭素など既存の取り組みと一体的に自然資本への対応を進め、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。

マテリアリティの管理領域として以下を特定しています。

  • ●生物多様性への配慮

方針

西部ガスグループは、西部ガスグループ環境基本方針に基づき、生物多様性の保全に取り組みしています。
西部ガスグループ環境基本方針 より以下抜粋

西部ガスグループは、事業活動が環境と深く関わっていることを認識し、さまざまな活動を通じて、地域社会の発展及び地球規模での環境保全に貢献します。環境保全推進活動については、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」の中で報告・審議し、重要事項は取締役会に報告します。

指針3

地域の環境保全活動への貢献

地域社会活動への参画、生物多様性への影響の回避または低減の取り組み、及び環境に関する情報提供を通じて、地域の環境保全活動に貢献します。

体制

環境推進体制

西部ガスグループは、「サステナビリティ委員会」※において、環境課題への対応を推進しています。生物多様性や水資源の保全についても環境課題として位置付け、目標管理や活動状況の確認、課題への対応を行っています。
※サステナビリティ委員会については、「サステナビリティ・マネジメント」をご参照ください

目標と進捗

自然共生サイト「油山研修所の森」動植物モニタリング・観察会

目標 2024年度実績 2025年度実績 2026年度計画
モニタリング・観察会
年2回以上実施
8月
11月
5月
11月(親子観察会)
5月
10月

取り組み

TNFDへの対応

西部ガスグループでは、自然資本や生物多様性に関するリスクと機会を適切に把握し、事業活動へ反映するため、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の考え方を踏まえた検討を進めています。
現在は、TNFDが提唱するLEAPアプローチを参考に、当社グループの事業と自然資本との関係について依存・影響の分析を実施しています。
今後は、既存の環境・サステナビリティ活動をTNFDのフレームワークに沿って整理し、自然関連課題への対応状況について情報開示の充実を図っていきます。

事業活動における生物多様性への配慮

西部ガスグループ油山研修所の森 初の「自然共生サイト」認定を取得
  • 2025年9月、西部ガスグループ油山研修所の緑地が、環境省による「自然共生サイト」に認定されました。
    本研修所は、福岡市南部・油山のふもとに位置し、豊かな自然環境の中で従業員の研修や交流の場として活用されています。敷地内には樹木や草地、小川、湿地が広がり、都市近郊にありながらも里地里山の生態系が保たれています。
    中央を流れる小川は博多湾へとつながる河川の上流にあたり、せせらぎの音は訪れる人々に癒しと安らぎをもたらします。また、四季折々の植栽が施されたアプローチは、研修生の感性を育む「文化的サービス」としての役割も担っています。
    今後は、当該緑地を活用した環境教育の推進や、地域における生物多様性の保全・つながりの場としての機能強化に取り組んでまいります。
  • ■施設周辺の環境

    油山は、標高597mで、天平年間にインドから渡来した清賀上人が山に茂っている ツバキの実 から、灯火用の油を搾ったことに由来しており、現在は山頂付近に市民の森が整備され、山頂付近は雑木林、中腹はスギ・ヒノキ林、山麓はシイ・カシの照葉樹林が広がっています。

    ■施設区域内の主な植生

    区域内の自然林における植生は、シイ・カシ二次林、タブノキ−ヤブニッケイ二次林、クス植林、スギ・ヒノキ植林です。

  • [油山研修所の森PDF:4.78MB]

■活動とモニタリング

グループ会社のファイブにて、樹木等の維持管理を1991年から30年以上に渡り続けており、2024年からは有識者の助言をいただきながらグループ従業員にて動植物調査を行い、約211種(2026年5月)の樹木や昆虫、鳥類が確認されています。
また、小川ゾーンでは、きれいな川に生息するトビケラ(幼虫)、カワニナを確認しています。

ひびきの森緑化活動における生物多様性の保護

西部ガスグループは、2030年を目指して、北九州市若松区のひびきLNG基地及び周辺用地の90万m2に、その地に生息する生物の多様性の保護を念頭に20万本を植樹し、森につつまれた総合エネルギー基地を創る「ひびきの森計画」を2013年度から進めています。

ひびきの森完成予想図

  • グループ社員とその家族でどんぐりを採取し、ひびき基地内のナーセリーで苗木に育て、ひびきLNG基地周辺を中心に植樹しており、2023年12月までに約15万3000本の植栽を完了しています。どんぐりをはじめとする照葉樹林は、西日本に潜在植生しており、どんぐりを食べる動物や野鳥の生態系保護や、根を深く地中に降ろすため土地の崩壊を防ぎ保水力が大きいと言われています。

  • 植樹の様子

また防潮風林は、地域本来の植生種を高密度で植えることで、苗木が競争しながら良く育ち、枝葉も早く茂る工夫をしています。自然の樹林地を模して、中心部と林縁部で構成しています。クロマツは、海岸林として外側に採用し、海岸の潮風の影響による被害を最小限に抑え、内側はどんぐり等を採用しひびきの森の生態系を保全しています。

防潮風林

製造所における希少植物の観測

  • 北九州市若松区のひびきLNG基地には、準絶滅危惧種の「ミゾコウジュ」の生息が確認されたため、この保護を目的とし2017年に播種はしゅし管理を行っています。雑草の繁殖により自然淘汰されぬよう、手刈りで慎重にミゾコウジュの周囲を除草しています。今後も専門家の指導・助言を得ながら、生育状況についてモニタリングし、生物多様性への取り組みを進めていきます。

  • ミゾコウジュ(春)

都市部不動産の生物多様性保護

不動産事業不動産事業分野の西部ガス都市開発では、街づくりにおいて、生物多様性に配慮した事業活動を行う事が重要であるととらえ、街に潤いを与える新たな緑の創出に努めています。
開発物件の福岡市「祇園NKビル」は竣工の2018年から、グループ会社より事業継承により取得した福岡市「TERASO」は竣工の2014年から、壁面緑化や外構への植樹等、緑化を実施しています。建物1階部分壁面を緑化することにより、通行人へ安心と潤いをお届けしています。都市やご家庭の「緑化」を通して、生物多様性の維持と保護に取り組むことはもちろん、テナント、入居者へ心地よい空間を提供しています。

  • オフィスビルの壁面緑化

  • 物流倉庫の外構の芝生緑化

地域と連携した保全活動

外部機関との連携:北九州ネイチャーポジティブネットワークとの里山体験活動

西部ガスグループは、北九州市が推進する「北九州ネイチャーポジティブネットワーク」に参画しています。その取り組みの一環として、2026年3月に北九州市立山田緑地において、同ネットワークの第1号案件となる環境保全イベント「森を未来へバトンタッチ!親子里山体験活動」を開催しました。当日は、専門家の指導のもと、里山の生態系を維持するための薪炭林管理として樹木の伐採を体験するとともに、伐採した枝を活用した木工体験や焚き火体験を通じて、自然資源の循環利用について学びました。今後も地域との連携を通じて、生物多様性の保全と環境教育を推進し、ネイチャーポジティブの実現に貢献していきます。

  • 急斜面での樹木の伐採作業

  • 焚火体験の様子

外部機関との連携:海洋生態系保全に向けた海岸清掃活動 

2025年11月、西部ガスグループは福岡市西区の小戸公園周辺において、社員とその家族が参加する環境イベントを実施しました。当日は、一般社団法人くらげれんごうの協力のもと、海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックによる環境問題について学んだ後、海岸清掃活動を行いました。参加者は漂着ごみやマイクロプラスチックを回収しながら、海洋生態系への影響について理解を深めました。
また、回収した漂着物を活用した工作体験を通じて、海洋ごみ問題や資源循環について学ぶ機会を設けました。西部ガスグループは、今後も地域や外部団体と連携しながら、生物多様性の保全や環境教育を推進し、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。

  • 拾ったゴミをみんなで分別

  • 海岸のごみを利用したおさかな作り

山女魚(ヤマメ)放流活動

  • 西部ガス(北九州地区)は、生態系保全活動の一環として、山女魚の放流を1996年から25年以上に渡って実施しています。放流は、年に2〜3回、山女魚釣りの解禁時期に山間部にて実施し、西部ガス渓流釣りクラブと地元の養魚場の協力の下、毎回約20人が集まり、千数百匹の成魚と稚魚を放流しています。
    放流時には釣り大会も開催し、放流地域の方々との交流も深め、放流地域の環境保全に取り組んでいます。
  • 放流風景

イニシアティブへの参加

北九州ネイチャーポジティブネットワークへの参加

  • 西部ガスグループは、北九州市が推進する、企業・団体・教育機関・個人が連携して自然環境の保全・再生に取り組む地域ネットワークに参加しています。本ネットワークでは、都市近郊の豊かな自然「アーバンネイチャー北九州」を活かし、生物多様性に関する情報共有、ワークショップ、各主体間のマッチングなどを通じて、地域全体でネイチャーポジティブの実現を目指しています。

    • アーバンネイチャー北九州のホームページはこちら
  • 北九州ネイチャーポジティブネットワークのロゴ

生物多様性のための30by30アライアンス

  • 「30by30」とは、2030年までに地球の陸地と海域の30%以上を健全な生態系として保護することを目指す国際的な目標です。生物多様性の損失を食い止め、地域資源の保全や持続可能な管理を進めることで、地球規模での生態系の健全化に貢献することを目的としています。
    この目標の達成に向け、日本では企業・自治体・団体・個人が連携する「30by30アライアンス」が設立され、オールジャパンでの取り組みが進められています。
    当社は、2025年9月に「油山研修所の森」が自然共生サイトとして認定されたことをきっかけに、このアライアンスへ参加しました。今後も地域資源の保全と持続可能な管理を通じて、生態系保全に貢献し、自然と共生する社会の実現を目指してまいります。

    • 自然共生サイト認定のプレスリリースはこちら
    • 環境省のホームページはこちら
  • 30by30

認証制度を取得した商品の生産・販売

GAP認証(エスジーグリーンハウス)

  • 西部ガスグループのエスジーグリーンハウスは、JGAP認証を取得しています。JGAP(Japan Good Agricultural Practices)認証は、日本GAP協会が定めるJGAP基準に沿って、食の安全や環境保全など、持続可能な農業経営に取り組む農場に与えられる認証制度です。SDGsの17の目標とも親和性が高く、生物多様性の維持を含む環境保全型農業を基本とした持続的な農業経営を実現するものです。

    • ※JGAP認証農場のマークの下の登録番号は、エスジーグリーンハウス株式会社の番号です
  • JGAP(Japan Good Agricultural Practices)認証

福岡県ワンヘルスの推進

  • 西部ガスグループでは、福岡県が推進する「ワンヘルス」の理念に賛同し、ワンヘルス宣言事業者として登録しています。人・動物・環境を一体的に捉えるワンヘルスの考え方のもと、生物多様性の保全や地域環境保全活動を推進し、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます

    • 福岡県ワンヘルス推進ポータルサイトはこちら

    登録事業者

    • ●西部ガスホールディングス
    • ●西部ガス建設
  • 福岡県ワンヘルス認証