資源の保全

考え方

「西部ガスグループビジョン2030」で思い描く「カーボンニュートラル・循環型の社会」を実現するには、資源の効率的な活用、水使用量の削減及び廃棄物の発生抑制・再利用・再資源化により、事業活動における環境負荷低減などの環境課題に対応することが重要と考えています。
上記の考え方の下、マテリアリティとして以下を特定しています。

  • ●資源循環の推進

資源循環の推進

方針

西部ガスグループは、西部ガスグループ環境基本方針に基づき、資源利用の効率化を図るとともに資源の保全に取り組みます。

体制

各事業者が取り組んでいる産業廃棄物・一般廃棄物の発生量及び最終処分量の削減、掘削土の削減と再資源化、3Rの推進について進捗状況をサステナビリティ委員会事務局で年3回とりまとめて管理しており、最終結果をサステナビリティ委員会で報告していきます。

目標と進捗

廃棄物等の削減と循環利用の推進、ガス管等の再資源化、導管工事における掘削土抑制
指標 2022年度 2023年度
目標 実績 目標 実績
工事・オフィス
産業廃棄物
:最終処分率
3.7% 4.1% 3.6%
(前年度より0.1%削減)
11.6%
工場の産業廃棄物
:再資源化率
94.0%以上 95.9% 94.0%以上 99.1%
導管工事における
統合指標
20.0% 13.9% 19.8% 16.8%
金属管・PE管廃材の
再資源化
100% 100% 100% 100%
ガスメーター
再生利用率
89.0% 98.4% 89.0% 98.8%
取水量 461千m3 440千m3 457千m3 457千m3
  • ※取水量は、2021年度実績466千m3より毎年1%ずつ削減。
新設目標
指標 2025年度
達成目標
ガス製造工場における産業廃棄物の抑制:再資源化率 95%以上
工事・オフィスにおける産業廃棄物の抑制:再資源化率 95%以上
導管工事における新規土砂の使用量削減(統合指標の抑制) 20%未満
金属管・PE管廃材の再資源化 100%以上
使用済みガスメーター(都市ガス)再生利用率 95%以上
取水量 前年度実績より削減
オフィスにおける一人あたりのコピー/プリンター用紙の使用量削減 21.5kg/人以下
事務用品のインターネット購入によるグリーン購入率 50%以上
食品ロス・廃棄の削減
指標 目標 2022年度 進捗 2023年度 進捗
フードロスショッピングサイト“ecoto”のサービス利用先の拡大 グループ会社と連携してのPR活動 2件以上/年 継続した取り組みの推進 PR活動 2件実施

サイトURL:https://kuradashi.jp/pages/ecoto

環境目標(西部ガスグループ)

ガス製造工場における産業廃棄物発生量および再資源化率の向上

目 標

2023年度目標:産業廃棄物の再資源化率を94%以上で維持する

施 策

産業廃棄物再資源化の適正運用

結 果

  1. 工場の産業廃棄物発生量および再資源化率の向上については、産業廃棄物の発生抑制と再資源化に努め、2023年度実績は再資源化率99.1%、目標を達成しました。
  • ※対象:都市ガス製造工場7社(ひびきエル・エヌ・ジー、西部ガス熊本、西部ガス長崎、西部ガス佐世保、島原Gエナジー、九州ガス圧送、筑後ガス圧送)
廃棄物排出実績
項目 単位 2021年度 2022年度 2023年度
産業廃棄物 発生量 t 33,619 34,937 27,097
再資源化量 t 32,339 33,408 23,839
再資源化率 96.23 95.90 88.40
最終処分率 3.77 4.10 11.60
評価 ×
一般廃棄物 発生量 t 2,244 2,492 1,270
再資源化量 t 1,705 1,905 976
再資源化率 75.98 76.43 76.85
最終処分率 24.02 23.57 23.15
有害廃棄物 発生量 t 531 626 97
再資源化量 530 616 5
再資源化率 99.8 98.4 5.3
最終処分率 0.2 1.6 94.7
  • ※産業廃棄物については、「再資源化率を94%以上で維持する」という目標をもって再資源化に取り組みましたが、対象会社の増加による再集計のため未達成。2024年度は再資源化率が低い会社を特定し再資源化の対応を促進する。
  • ※一般廃棄物については、2023年度から集計方法の見直しを実施
  • ※有害廃棄物については、特別管理産業廃棄物を対象とした。
導管工事における統合指標(従来開削工法での掘削土量に対する新規土砂投入量の比率)の抑制

目 標

2021年度〜2023年度
統合指標を2020年度6社実績20.4%から毎年度1%削減する。
(西部ガスグループ6社:西部ガス、西部ガスエネルギー、久留米ガス、大牟田ガス、九州ガス圧送、筑後ガス圧送)
  • ※統合指標(%) =(100 - 削減率(%)) x (100 - 再資源化率(%)) / 100

施 策

  1. 1.掘削土量の削減(浅層埋設、非開削工法の拡大)
  2. 2.再生土の利用推進

結 果

浅層埋設の推進および掘削土再資源化の推進に努め、目標を達成しました。

導管工事における統合指標の抑制

水使用量の削減

目 標

2023年度目標
上水・工業用水の使用量を2021年度実績466千m3から毎年1%削減する
取水量実績
2021年度 2022年度 2023年度
取水量合計(千m3 32,370 33,275 32,406
  上水・工水取水量合計 466 440 457
上水取水量 318 274 286
工水取水量 148 166 171
海水取水量(※) 31,904 32,835 31,949
発電用取水量 0 0 0
  • ※海水については、主に都市ガス製造工場においてLNG気化のために利用しており、消費することなく、海に排水しております。
取水量目標
2022年度 2023年度 2024年度
上水・工業用水合計(千m3 461 457 前年度実績より削減する
排水量実績
2021年度 2022年度 2023年度
排水量合計(千m3 32,412 33,204 32,547
  下水・河川
(放流先)
508 369 598
海(放流先) 32,370 32,835 31,949
  • ※西部ガスグループの事業では、上水、工業用水、海水を利用し、その排水管理を行っています。都市ガス製造所、事務所等で上水、工業用水を利用、排水しています。海水については、主に都市ガス製造工場においてLNG気化のために利用しており、消費することなく、海に排水しております。排水では、法令条例等に基づき、適正に水質管理を行っています。
  • ※LNG基地で使用するプロセス水については、ボイラの最適稼働や更新などにより、使用量の低減に努めています。
不動産事業 水資源の使用実績・削減目標 (不動産事業:西部ガス都市開発)
実績 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度削減目標
水使用量(m3) 73,586 61,681 71,032 2023年度実績より、1%削減
水使用量
原単位
(m3/m2)
0.64522 0.46829 0.53204
  • ※2021年度は、20施設、稼働床面積114,047m2
    2022年度は、26施設、稼働床面積131,716m2
    2023年度は、27施設、稼働床面積133,509m2
  • ※井水使用の施設は、水使用量、稼働床面積とも計上しておりません。
  • ※集計対象範囲は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)において報告義務のある、西部ガス都市開発が保有、管理するすべての物件(自社使用を含む)です。
原材料使用の削減

コピー用紙使用量の削減

目標:1人当たりの使用量を2023年度までに21.7kg/人とする

コピー用紙
年度 2021 2022 2023
コピー用紙 1人当り使用量
s/人
21.3 19.3 18.2
評価

ガスメーターの再使用

目標:ガスメーターの再使用率を、2023年度は89%以上とする

ガスメーターの再使用率
年度 2021 2022 2023
再使用率 % 94.9 98.8 98.9

取り組み

3Rの推進

  • リデュース(Reduce)資源の消費を減らす
  • リユース(Reuse)使えるものは何回も繰り返し使う
  • リサイクル(Recycle)使えなくなったら原材料として再利用する

掘削土・アスコン塊の発生抑制と再資源化

  • リデュース
  • リユース
  • リサイクル

ガス導管工事では、掘削土やアスファルト・コンクリート塊(アスコン塊)が発生しますが、非開削工法や浅層埋設(従来よりもガス管を浅く埋設)工法を採用することで、発生を抑制しています。また、発生した掘削土やアスコン塊も再生プラントに処理を委託して再資源化に努めるとともに、埋戻し土に再生土を使用し、新規埋戻し土の使用を削減しています。

掘削土抑制のための工法

PE管廃材の再資源化

  • リサイクル
  • 埋設ガス管には地震に強いPE管(ポリエチレン管)が主に使われています。工事にともなって発生するPE管廃材は100%回収し、これをペレット化して加工することにより、埋設ガス管標識シートとして再利用する「使用済みPE管リサイクルシステム」を推進しています。

  • 埋設標識シート

事業所からの廃棄物の削減と再資源化

  • リデュース
  • リサイクル

西部ガスグループ各事業所では、オフィスから排出される一般廃棄物のうち紙類(新聞紙、ダンボールなど)は古紙回収リサイクルするとともに、ペーパーレス化や用紙の両面使用などで減量化を図っています。
また、産業廃棄物では蛍光管、金属くず、廃油などを再資源化するとともに、汚泥の排出に際しても乾燥による減量化を行っています。

作業服等のリサイクル

  • リデュース
  • リサイクル

西部ガスでは、使用済みの作業服・作業着やヘルメットをメーカーのリサイクルシステムを採用してリサイクルしています。

ガスメーターの再生

  • リユース
  • 西部ガスでは、検定期限が来たガスメーターを回収、整備・部品交換し、新品同様に再生した後に検定を受けたものを再利用しています。

  • ガスメーターの再生

循環型社会の実現

産学官連携による地産地消型水素ステーションの共同運営

  • 西部ガスが参画する有限責任事業組合福岡市グリーン水素活用推進協議会※1は、福岡市水素ステーションの機能強化を図るとともに、水素の普及に向けた活動を共同で実施することを目的に2022年8月8日に設立されました。この協議会では、福岡市中部水処理センター(福岡市中央区)において市民の生活排水(下水)を処理する過程で発生するバイオガスから水素をつくり、燃料電池自動車へ供給する世界初の地産地消型水素ステーションの共同運営に取り組んでいます。
    西部ガスと西部ガステクノソリューションは、水素ステーションが日々安心安全に稼働できるように、高圧ガス製造保安責任者を選任し保安や整備面で協力体制を整えています。今後は、産学官一体となって、水素研究のさまざまな知見をいただきながら、水素ステーションの運営実施、コスト低減に向けた研究、水素需要拡大に向けた取り組みを通じて、水素社会の実現を推進してまいります。

  • 福岡市水素ステーション

  • ※1 福岡市、西部ガス株式会社、株式会社正興電機製作所、豊田通商株式会社、西日本プラント工業株式会社、三菱化工機株式会社、国立大学九州大学の共同体

プラスチック削減:傘のシェアリングサービス コラボレーション傘の設置

  • 西部ガスグループは、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営する(株)Nature Innovation Groupとのコラボレーション傘 1,000本を、2020年より福岡市内の大学や駅、不動産賃貸事業などを営む西部ガス都市開発が運営するオフィスビルなどに設置しています。
    日本では、年間8,000万本の使い捨て傘が消費されています。そのような使い捨て傘ゼロを目指す傘のシェアリングサービス「アイカサ」は、突発的な雨にもビニール傘をその都度購入せずに、駅や街中で丈夫でサステナブルなアイカサを借り、雨が止んだ際には最寄りの傘スポットに傘を返却することで、エコに貢献しながら手ぶらで便利に移動ができるのが特徴です。
    限りある資源で豊かに暮らし、無駄なビニール傘のプラスチックゴミ削減に貢献してまいります。

  • アイカサとのコラボレーション傘

  • ※(株)Nature Innovation Groupは、西部ガスグループのCVCであるSGインキュベート(株)の投資先企業です。
  • ※(株)Nature Innovation Groupのホームページはこちら
  • ※SGインキュベートのホームページはこちら

食品ロス・産廃物削減

西部ガスグループの食関連事業者は、CO2排出削減が可能である「食品ロス」と「食品廃棄物」の削減を推進します。

フードロス削減に寄与する社会貢献型ショッピングサイト「ecoto(いいコト)」

「ecoto(いいコト)」は西部ガスグループとKuradashiのコラボレーションで生まれた新しいショッピングサイトです。
フードロス削減への賛同メーカー等より期限が間近な商品や、訳あって処分対象になってしまう商品を協賛価格で提供を受け、最大97%OFFでお客さまへ販売し、売上の一部を環境保護や動物保護の団体など、様々な社会貢献団体へと寄付しています。
おトクな買い物が、社会貢献に繋がります。
なお、2023年度は西部ガス長崎社屋にて従業員向けPRイベントを開催。また、長崎市が主催する「ながさきエコライフ・フェスタ2023」に西部ガス長崎とブースを出展しPR活動を実施しました。今後もグループ会社と連携したPR活動を継続し、フードロス削減を推進してまいります。

サイトURL:https://kuradashi.jp/pages/ecoto

ecoto(いいコト) 西部ガスグループ × Kuradashi

外部機関との連携:コンポストを活用した地域と資源循環の輪

西部ガスグループでは、食の脱炭素化実現に向けて、NPO法人循環生活研究所さまと協働し、福岡市内の西部ガスグループ施設「火と人食堂」や福岡県宗像市「ひのさと48」内でコンポスト堆肥づくりの取り組みを開始しました。2023年度の実績は合計で、生ごみ堆肥化量362.48kg、CO2排出削減量177.61kgです。また、「ひのさと48」内のコミュニティカフェ「みどりtoゆかり」にて地域に販売したバック型のコンポスト等から算出すると、生ごみ堆肥化量約880kg、CO2排出削減量約431.2kgに相当します。
コンポスト堆肥は、食品廃棄物を削減し堆肥として生まれ変わらせ、化学肥料を使わないため、畑の生態系を守り、そこで生まれる自然の恵みや人のつながりを豊かにしてくれます。西部ガスグループ内に2022年度から「コンポストの会」を発足し、情報共有や活動を通して、地域とのつながりやくらしに関わる事業展開などを活かし、資源循環型のサステナブルな社会の実現に貢献するため活動を進めています。

  • ※コンポストとは「堆肥」や「堆肥をつくる容器」のことで、食堂や家庭やからでる生ごみなどを、微生物の働きを活用して発酵・分解させ、堆肥にし肥料として土に戻すため、ごみの焼却を減らしCO2排出削減にも貢献しています。
  • バック型のコンポスト

  • 熟成で生ごみを分解

小学生向けのコンテンツ「カーボンニュートラボ」では、詳しい記事を紹介しています。
簡単で楽しいサステナブル「コンポスト」にチャレンジ

食品関連事業の食品ロス削減

  • 農産物の水耕栽培及び販売事業を行っているエスジーグリーンハウスは、商品規格で取り除いた葉(約17t/年)を、カット野菜などの業務用商品として販売。食品ロス削減にも貢献しています。