持続可能な調達の推進
考え方
西部ガスグループでは経営の基本理念として「地域貢献・責任・和」を掲げ、従来からお取引さまとの対話による「つながり」を大切にしてきました。社会情勢・経済動向が厳しさを増す昨今ではありますが、「西部ガスグループビジョン2030」で思い描く「持続可能な社会」を実現するためには、サプライチェーン全体における環境・社会的責任を果たしながら、お取引さまと西部ガスグループ相互にとっての持続可能な関係を高めることが今後ますます重要だと考えています。
このような考え方の下、マテリアリティとして以下を特定しています。
- ●エネルギーへのアクセス
- ●持続可能な調達の推進
方針
西部ガスグループは、調達活動に関わる法令や社会規範の遵守をはじめ、人権・労働安全衛生・環境に関連する社会的責任にも十分配慮しながら、将来にわたり持続可能なサプライチェーン・マネジメントを目指してまいります。
資材購買
購買活動にあたって遵守すべき行動規範に加えて、持続可能な調達の観点も組み込んだ「西部ガスグループ購買の基本方針」を策定し公表しています。また、購買活動においては、当グループとお取引先さまが、相互に信頼関係を醸成し、相互の発展を図ることに努めるとともに、サプライチェーン全体での企業の社会的責任(CSR)を果たすため、「お取引さま購買ガイドライン」として取りまとめています。
1-西部ガスグループ購買の基本方針
当社では、購買活動にあたって遵守すべき行動規範として、以下の通り「西部ガスグループ購買の基本方針」を定めています。
1.コンプライアンスの徹底
グループ購買の取引を行うにあたり、当社グループならびにお取引先さまの双方が、全ての関連法規、それらの精神、社会規範および企業倫理を遵守します。
2.オープン
適切な時期に良質で安全かつ経済的な資機材・工事を購買するため、幅広く取引します。
3.公平・公正
お取引先さまの選定は、資機材の品質、信頼性、価格、納期の確実性、アフターサービス、既設設備との整合性、技術力、経営状態、安全管理体制、企業の社会的責任(CSR)への取り組み姿勢等を総合的に勘案し、経済合理性に基づいて公平・公正に行います。
継続的に購買を行う主要なお取引先さまに対しては、定期的に経営状況等の調査を行い、取引のリスク把握に努めます。
4.環境への配慮
循環型社会の実現を目指し、経済的条件に環境性の観点を加え、お取引先さまと連携し、環境の保全に取り組みます。また、環境基本方針に基づく購買活動の一環として、「西部ガス グリーン購入指針」に基づくグリーン購入を推進します。
5.相互信頼
公平・公正な購買取引や日常のコミュニケーションを通じて、お取引先さまとの信頼関係を確立し、相互の発展を図ることに努めます。
6.人権・労働・安全衛生への配慮
人権・労働・安全衛生に係わる問題に、お取引先さまと協力して取り組みます。
西部ガスグループ グリーン購入指針
- 1. 目的
- 西部ガスグループは、事業活動が環境と深く関わっていることを認識し、環境に配慮した物品等の購入(グリーン購入)に取り組むことにより、環境負荷の低減を図り、環境調和型社会の構築に積極的に貢献することを目的とする。
- 2. 適用範囲
- 当社が購入する物品、工事について適用する。
- 3. 購入時の配慮事項
- 購入にあたっては、資源の採取から廃棄物まで全ての物品サイクルにおける多様な環境負荷を考慮し、次の事項に配慮して、必要最小限に購入する。
- (1) 有害化学物質等の使用抑制
- 環境や人体に被害を与えるような有害化学物質等の使用が抑制されていること。
(法で禁止されている物質は使用されていないこと。) - (2) 省資源・省エネルギー
- 製造段階、使用段階等での資源やエネルギー消費量・CO2排出量及び水使用量が少ないこと。
- (3) 資源の持続可能な利用
- 資源が持続可能な方法で採取され、有効利用されていること。
- (4) 長期使用性
- 長期間の使用が可能であること。
- (5) 3R(リデュース、リユース、リサイクル)への配慮
- 3Rに配慮した材料や部品が使用されていること。
- (6) 廃棄処理時の環境負荷低減
- 廃棄されるときに処理や処分が容易であること。
各品目についての詳細は、「グリーン購入ネットワーク(GPN)」の購入ガイドラインに準じるものとする。 - (7) 生物多様性への配慮
- 事業活動による生態系への影響を低減すること。
- 4. その他
- 本指針は、技術の進歩・法令改正等、社会情勢の変化によって必要に応じて改定する。
2-お取引先さま購買ガイドライン(お取引先さまへのお願い)
お取引先さまは、当社にとって「大切なパートナー」です。当社とお取引先さまが、相互に信頼関係を醸成し、相互の発展を図ることに努めるとともに、共同して企業の社会的責任(CSR)を果たしていきたいと考えています。そのため、「西部ガスグループ購買の基本方針」をご理解いただいたうえで、次の項目にご協力をお願いいたします。
1.コンプライアンスの徹底
購買取引を行うにあたり、全ての関連法規、それらの精神、社会規範および企業倫理等を遵守し、社会の一員としての良識ある行動をとるとともに、不正行為の予防と早期発見の体制が構築され、機能していること。
2.品質の確保
品質・性能が当社の要求水準を満たすとともに、それが合理的な期間保持されること。また、形状、構造、システムの操作性等に優れ、周辺機器等との連繋も十分図りうること。
3.適正な価格
価格は、仕様、品質、納期、購買数量および市場価格動向等に照らし適正であること。
4.納期の遵守
納期を必ず守ること。
5.環境保全への配慮
環境へ与える負荷が少なく、環境負荷軽減のために努力していること。また、「西部ガス グリーン購入指針」に沿った取り組みがなされていること。
6.安全性の確保
使用および操作上の安全性が確保されること。
7.保守管理・アフターサービス
点検、保守、補修、事故および故障時の対応が、迅速、安全かつ的確に実施でき、必要な部品、技術的援助等が迅速に提供できる体制が保持されていること。また、これらのことを考慮した設計、製作がなされており、納入している資機材等についても常に改良に努めていること。
8.リスクの管理
リスク管理に係わる以下の取り組みを実施していること。
- ■迅速・適切な対応:
- 品質問題や災害・事故等の緊急事態が発生した場合の迅速・適切な対応
- ■個人・機密情報:
- 個人情報や機密情報の適切な取扱い
- ■知的財産:
- 知的財産(機密情報やノウハウを含む)の適切な管理
9.人権・労働・安全衛生への配慮
人権・労働・安全衛生に係わる以下の取り組みを実施していること。
- ■人権:
- 児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別の禁止
- ■労働:
- 結社の自由の保障、団体交渉権の保障、長時間労働の防止、最低賃金の保障
- ■安全衛生:
- 職場の安全、労働災害や疾病の防止、施設の安全衛生
10.サプライチェーンマネジメント
原材料・部品などを調達し、製品、サービスなどを納めるまでの一連の工程において、自社が本方針に取り組むのみならず、お取引先さまに対しても、本方針に定められている事項への取り組みを働きかけること。
体制
資材購買
グループ購買取引を行うサプライヤーに対しては、基本方針やガイドラインの周知を行い、遵守を求めています。
また、主要なお取引さま(※)は、「経営状況等調査」を通じて、財務状況とともに、コンプライアンスや安全衛生、人権・労働への配慮等の状況を定期的に確認し、リスクに対する取組みが不十分と思われる場合には追加調査を行うとともに、必要に応じて是正依頼を行います。
そのほか、サプライヤー説明会の開催やお取引先満足度調査の実施を通じて、サプライヤーとの相互コミュニケーションを図りながら、西部ガスグループの購買活動・持続可能な購買方針への理解促進を図っています。
目標と進捗
安定供給体制のさらなる強化(取扱量拡大/多様なエネルギー源の選択肢拡大)
指標 | 目標 | 2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
---|---|---|---|---|
LNG取扱量 | LNG取扱量の拡大 | 68万トン | 79万トン | 84万トン |
※国内向け取扱量
資材購買
施 策
持続可能な調達の実現のため、取引先へのアンケートや審査によって、定期的に取引先の状況を確認しています。
- ・主要グループ会社との定例会議の開催
- ・お取引先満足度調査の実施(主要お取引先)
- ・経営状況等調査の実施(主要お取引先)
目 標
持続可能なサプライチェーン・マネジメントの強化
項目 | 指標 | 2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 目標 |
---|---|---|---|---|---|
「グループ購買の 基本方針」 「お取引先さま 購買ガイドライン」 の周知 |
主要 お取引先への 周知率 |
100% | 100% | 100% | 100% |
お取引先調査 | ・お取引先調査票 回収率 ・取引に関する 満足度 |
100% 90% |
100% 95% |
100% 91% |
100% 90% |
グリーン購入の推進
施 策
事務用品を購入する際は、できるだけ環境対応商品を購入する。
目 標
2021年度〜:2023年度までに65%とする
2024年度〜:50%以上
グリーン購入率
年度 | 2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 目標 |
---|---|---|---|---|
購入率 | 69.2% | 70.4% | 62.6% | 50%以上 |
取り組み
安定供給に向けて
安定供給を図るため、都市ガス原料である天然ガス、LNGの調達先を多様化してきました。また、緊急時に他のエネルギー事業者との間で原料融通を行えるよう、協力体制を整備・強化しています。
サプライチェーンにおける人権尊重
西部ガスグループは購買取引を行うサプライヤーに対してサプライチェーンにおける人権尊重の取り組みとして、「西部ガスグループ購買の基本方針」や「お取引さま購買ガイドライン」の周知を行い、人権に対する期待を明確に伝えることで遵守を求めています。
パートナーシップ構築宣言
西部ガスホールディングスと西部ガス都市開発は、サプライチェーン全体における持続可能な共存共栄関係の構築を目指した「パートナーシップ構築宣言」※に賛同し、策定・公表いたしました。サプライチェーンの取引先の皆様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築してまいります。
- ※パートナーシップ構築宣言とは
関係閣僚(内閣府、経産省、厚労省、農水省、国交省及び内閣官房副長官)と経団連会長、日商会頭、連合会長をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において、「パートナーシップ構築宣言」の仕組みを、2020年5月に創設されました。「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、「発注者」側の立場から企業の代表者の名前で宣言するものです。
「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトはこちら
お取引先とのコミュニケーション
当社グループは、調達リスク管理と取引先とのパートナーシップの一層の強化を図るため、お取引先さま各社との双方向のコミュニケーション機会を大切にしています。具体的には、主要なお取引先さまに対して、当社の購買戦略と具体的取組・工事計画等について説明し、購買方針への理解促進を図るための購買方針説明会や、お取引先さまに対する当社施策へのご協力の感謝と、相互繁栄に向けた関係強化を図るための会合を定期的に設けるなどして、コミュニケーション機会を創出しています。