人的資本

考え方

西部ガスグループは中期経営計画「ACT2027」に基づき、ガスエネルギーの一層の強化と電力や不動産をはじめとしたビジネスモデルの多角化を進めています。多角化する事業ポートフォリオと連動する人財ポートフォリオの作成に着手するとともに、従業員エンゲージメント向上による従業員の成果の最大発揮により、当社グループの持続可能な成長を目指します。

人的資本レポート(2025年11月発行)表紙
人的資本レポート(2025年11月発行)

安心を挑戦に、挑戦を次の安心に

一人ひとりの成長が、企業と地域の未来をつくる

人財戦略担当取締役メッセージ

従業員と企業が共に成長し、双方の価値を最大化

西部ガスグループでは、中期経営計画に基づき、従業員エンゲージメント向上を最重要指標としながら、@経営戦略に連動する人財施策の実施(採用・育成・配置)、A挑戦を通じた成長支援(挑戦支援とキャリア自律支援)、B価値創造を加速する組織基盤の強化(DE&I推進と健康経営推進)という3つの柱を中心に、人財戦略を展開しています。これらの取り組みは、いずれも「安心と挑戦が支え合う」西部ガスグループの企業文化をさらに深め、持続させていくための基盤です。従業員一人ひとりが自分らしく力を発揮できる環境を整えることで、エンゲージメントを高め、持続的な価値創造につなげていきます。人が活きる場を整え、声を聴き、挑戦を後押しする―私たちはこのような取り組みを通じて、従業員と企業が共に成長し続ける好循環の実現を目指しています。

取締役常務執行役員 御手洗 淳

体制

人的資本経営のガバナンス体制

西部ガスグループでは、人的資本経営をグループ横断で強力に推進するため、「西部ガスグループ人的資本委員会」を設置しています。本委員会は、社長執行役員を委員長とし、人財戦略部担当執行役員およびグループ会社社長が委員として参画することで、グループ全体の人的資本戦略を議論・決定する体制を整えています。
人的資本委員会は、人的資本に関する方針や重点施策について審議・承認し、その進捗と成果をモニタリングします。さらに、経営会議を通じて取締役会への報告・連携も行われ、グループとしてのガバナンスと監督機能を確保しています。

実行段階では、人財戦略部がハブとなり、「ダイバーシティ部会」「健康経営推進部会」と連携した運営体制を構築しています。これにより、ダイバーシティ推進や健康経営など既存の取り組みを人的資本戦略と一体的に展開し、グループ従業員との対話や具体施策の実行を通じて、人的資本経営の実効性を高めています。
この一連の仕組みにより、方針策定から実行・評価・改善までのPDCAをグループ全体で循環させることが可能となり、人的資本価値の向上を持続的に実現するガバナンス体制を構築しています。

人的資本経営の推進体制図
西部ガスグループの人材マネジメント体制図。最上部に西部ガスグループ人的資本委員会があり、人財戦略部に指示と報告が行われる。人財戦略部はダイバーシティ部会・健康経営推進部会へ報告し、両部会はグループ従業員へ共有する。従業員からの共有情報は委員会へも循環する構造となっている。

戦略

当社グループは、中期経営計画「ACT2027」において、人的資本経営を全戦略の基盤に位置づけ、従業員エンゲージメントの向上を最重要指標として、人財戦略を推進しています。
具体的には、@経営戦略に連動する人財施策の実施(採用・育成・配置)、A挑戦を通じた成長支援(挑戦機会の設計とキャリア自律支援)、B価値創造を加速する組織基盤の強化(DE&I・健康経営)の3本柱のもと、グループ横断で取り組みを展開します。
これらは「安心を挑戦に、挑戦を次の安心に」という企業文化を起点に、人的資本への投資が従業員の成長から企業価値・社会価値の向上へ連なる「人的資本インパクトパス」として構造化されており、継続的に検証・改善します。
主要KPIとして、エンゲージメントスコア〔2027年度:65%以上〕、グループ横断配置件数、挑戦指数、育成・採用関連KPI等を設定し、事業KPI(ROIC、成長領域の進捗 等)との整合を確認します。

主な環境変化

変化の時代において、人財の多様性と活躍を支える仕組みが不可欠

  • ●労働人口の減少
  • ●働き方・価値観の多様化
  • ●新たな価値創造の必要性
事業別機会・課題

企業の持続的な成長には、従業員のエンゲージメントと能力の最大化が不可欠です。各事業の特性に応じた人財の活用と育成を進め、企業価値の向上と地域発展を両立する人的資本経営を推進

従業員と企業が共に成長し、双方の価値を最大化

人的資本投資を起点とした価値創造サイクル

西部ガスグループでは、「安心を挑戦に、挑戦を次の安心に」という考えのもと、従業員一人ひとりの挑戦と成長を支える人的資本経営を推進しています。本図は、採用・育成・制度・風土醸成といった人的資本への投資が、従業員の自律的な行動やキャリア形成を促し、企業との共成長、そして地域社会との共創へとつながる流れを可視化したものです。
 私たちは、人的資本を企業の競争力の源泉として捉えるだけでなく、人と企業と地域が持続的に価値を高め合う「成長の循環」を生み出す基盤と考えています。今後もこの循環を育みながら、施策と成果の関係性を丁寧に検証し、人的資本経営の進化を図っていきます。

人的資本インパクトパス
西部ガスグループの人財戦略を示す図。左から『人的資本への戦略的投資』として人財戦略3つの柱(人財戦略の実践、人財開発、人的資本投資の強化)があり、中央に『人的資本アウトカム』として採用・研修・配置・社員エンゲージメント65点以上などのKPI、さらに『企業価値創造』として人財戦略と企業の成長の連動、最後に『中長期的な成果の創出』としてCO2削減、地域活性化、経営指標などの社会価値・経済価値を示す。人財への投資が企業成長と社会価値につながる一連の流れを可視化している図。

目標と進捗

働きがいの向上、発揮する成果の最大化を目指し、従業員エンゲージメントの向上に取り組みます。これまで西部ガスグループでは「働きやすい」職場づくりに取り組み、一定の成果を上げてきました。25年度から実施の「従業員エンゲージメント調査」では、「仕事・職場・会社」の観点でより詳しく網羅的に課題を把握していきます。調査結果をもとに、人的資本経営の各施策とも連携しながら、改善施策を計画・実行します。また、経営層と社員の対話の機会を今以上に増やし、貢献を認め合う風土醸成をしていきたいと考えています

2027年度KGIは、従業員エンゲージメントスコア65%以上です。仕事・職場・会社の3つの観点でエンゲージメントを確認します。
  • ※従業員エンゲージメントスコアとは、(株)リクルートマネジメントソリューションズによる、「従業員エンゲージメント調査」です。平均スコアとは、この調査を利用している企業の一定期間のデータを集約した参考値です。

生産性指標のモニタリング:人的資本ROI

人的資本ROIについては、数値の上昇のみを目的とするのではなく、人的資本KPIとあわせて経年的な変化を継続的に確認していきます。まずは各生産性指標も含めて、現状の傾向を把握することを重視し、一定期間の蓄積を経た後に、外部ベンチマーク等との比較も踏まえた目標値の設定を検討していきます。

人的資本ROIの実績として、2022年度34%、2023年度31%、2024年度34%を示し、人的資本ROI=(売上-(全コスト-人的資本コスト))÷人的資本コスト-1 の計算式と、人的資本コストは給与と福利厚生費でISO30414に基づき算出することを示した図。
人財戦略別に取り組み目標と現状、2027年度目標を示す表。@経営戦略に連動する人財施策の実践として、人財の獲得とグループ横断的配置の目標は現状5件から2027年度20件へ、管理職候補者における変革人材の割合は現状15%から20%へ。A挑戦を通じた成長支援として、ソウウン大学の参加人数は現状43名から80名へ、挑戦指数は現状3.46から3.75へ、リスキル・研修実施数は現状600名から2,000名へ。B価値創造を加速する組織基盤の強化として、女性管理職比率は3.8%から6.0%へ、男性育休取得率は90.6%から100%へ、障がい者雇用率は2.5%から2.7%へ、プレゼンティーズム指数は一から85%へと設定されている。

取り組み

西部ガスグループ 新中期経営計画「ACT2027」における主な取り組みは大きく3点です。

【人財の獲得とグループ横断的な配置、人財の戦略的な育成】
  • グループ経営人財の育成
    グループを牽引する経営人財育成のため、体系的な研修機会を提供し、人財情報の戦略的な活用による実践的異動配置を実施
  • 戦略人財の育成
    経営戦略と連動するエネルギーや不動産分野の強化領域を牽引する人財を計画的に育成・採用し、グループ横断的に配置
【多様な挑戦・キャリア自律を支援】
  • 社内大学(ソウゾウ大学)の継続実施
    実践的な「学び」の場を提供し、職場に「挑戦」「変革」をもたらす人財をグループ横断的に輩出
  • リスキル(自発的な学び)実践に向けた支援
    資格取得支援の強化やグループ向け公募型研修プログラムの拡充により、自発的な学びの環境を整備
【グループDE&I・グループ健康経営の推進】
  • ウェルビーイングの推進
    スマートワーク・柔軟な働き方の導入、障がい者雇用の促進など、多様な人財が健康で働きがいをもって活躍できる環境を整備
  • 次世代管理職育成プログラム
    新たな育成プログラムを導入し、女性管理職をはじめ多様な人財の更なる活躍を推進

経営戦略と連動した人財ポートフォリオ 〜事業戦略実現のための要員戦略〜

事業ポートフォリオと連動した「人財ポートフォリオ」の整備に着手しました。各セグメント・SBUの事業戦略に基づき、戦略実現に必要な人財の計画的な充足を進めていきます。今後は、どのセグメント・SBUからどのような取り組みを進めていくかを明確にしながら、必要なスキルや人財を全体最適の視点で見極め、段階的に人財ポートフォリオを精緻化していきます。

西部ガスグループの事業セグメントごとの事業方針と、必要となる人財像を示す一覧表。ガス、電力、不動産、食関連などの領域別に重点施策と求める人財が整理されている。
戦略人財

経営戦略と連動するエネルギーや不動産分野の強化領域を牽引する人財について、人財要件を定義し、計画的に育成・採用、グループ横断的な配置を実施しています

事業領域 戦略人財 人財要件 2027年度目標
現在 プール数
電力事業 再エネ企画PL 技術的知見を活かして再エネ電源開発及び
調達プロジェクトを企画・推進する人財
4名 6名
不動産事業 アセットリーダー エネルギー供給権獲得と不動産収益の両立を実現して、
供給エリア全体の価値向上に貢献する人財
2名 4名
デジタル領域 DXアーキテクト 各分野の伴走者としてデジタル技術を
活用した変革をけん引する人財
5名 8名
  • ※本表の3領域は、グループ中期経営計画において重要性が高く、かつ高度な専門性を要するため、中長期視点での人財育成が求められる分野です。2027年度に向け、2024年度比で2〜3倍の人財体制への拡充を計画しています。

従業員のウェルビーイング向上 〜地域や家族とのつながり〜

  • 従業員が安心して働き、挑戦できる環境には、会社だけでなく地域や家族とのつながりが欠かせません。西部ガスグループは、従業員が地域に根差し、家族の理解を得ながら自分らしく活躍できることを大切にしています。こうした「つながり」が心の支えとなり、働く意欲やエンゲージメント向上につながります。
    2025年8月に実施した「子どもお仕事参観デー」では22人のお子様が参加し、職場見学や保安車両体験を通じて、家族の仕事への理解とつながりを深める機会となりました。
地域とのつながりに向けた取り組み 家族とのつながりを支える取り組み
従業員が地域に根ざし多様な人々とつながる環境づくりを通じて、地域からの信頼と働きがいを高めています。 従業員と家族を支える施策を強化し、外部連携も活用しながら家族とのつながりがもたらす効果を検証し、ウェルビーイング向上につなげています。

企業と従業員との対話

  • 西部ガスグループでは、人的資本経営を前進させるために、経営と従業員が双方向に意見を交わす多様な対話の場を設けています。経営トップ自ら参加する会議や、現場の声を直接聞く機会、幅広いコミュニケーションを通じて、従業員の声を経営に反映させる仕組みを整えています。
    人的資本委員会では、エンゲージメント調査の結果や挑戦指標と施策を結びつけながら、グループ全体の進捗を確認し、改善につなげています。また、ダイバーシティ部会や風土改革Labo、社内イントラなどを通じて、従業員の考えや提案が自然と集まる環境づくりを進めています。
    さらに、労働組合との定期的な対話により、働きがいや職場環境改善に関する率直な意見交換を行い、現場の声を施策へつなげています。
    こうした一つひとつの対話が、組織の透明性を高め、従業員が自律的に成長できる環境をつくる土台となっています。
  • 西部ガスグループ人的資本委員会風景

    西部ガスグループ人的資本委員会

    風土改革Labo風景

    風土改革Labo

サイブライブ! 関連記事