森の木を切ることで、地球を守る!?
山を蘇らせる「間伐」でカーボンニュートラル
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森の中は空気がよくて、気持ちいいね。
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森の木は、二酸化炭素と太陽光で光合成をして、酸素を作るんじゃ。
森の空気がきれいなのは、たくさんの木が酸素を生み出してくれているからなんじゃよ。
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大変!森の木を傷つけている人がいるよ。コラーッ!
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落ち着いて。木は植えて育てるだけじゃなく、切ることも、森や地球、私たちの暮らしを守るうえで大切なことなんだよ。
木を切って、森林のお手入れ。「間伐」って何?
森のために、そして暮らしを守るために必要なのが、森の木を切る「間伐」。「木を切るのは悪いことじゃないの?」と不思議に思ったにーこちゃん。「間伐」について、NPO法人いとなみの藤井芳広さんに教えてもらったよ。
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藤井さん、間伐ってなに〜?
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「間伐」とは、森や林に生えすぎてしまった木の一部を切り取っていくことだよ。日本には、スギやヒノキを植えて作った「人工林」がたくさんあるんだ。でも、多くは手入れされず放置されたまま。だから、間伐をして森林手入れを行なっているよ。
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間伐をしないとどうなるの?
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木は密集した状態では成長が止まってしまうんだ。根っこもしっかりと張れず、倒れやすくなっているから、土砂崩れの原因になってしまうよ。
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私たちが安心して暮らすためにも、間伐して森を手入れすることは大切なんだね。
小学生でもできる⽪剥き間伐。切った木はどうなるの?
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私も間伐にチャレンジしてみたいなぁ。
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じゃあ、小学生も一緒にできる「⽪剥き間伐」をやってみようか。
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やってみたい!⽪剥き間伐ってどうやるの?
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「木を切り倒さず、木の皮をバリバリとむくんだ。すると、木は立った状態で枯れて、乾燥して軽くなるよ。軽くなった木を切り倒せば、力が弱い人や子どもでも運び出すお手伝いができるんだ。
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切った木はどうするの?
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建物や家具の材料「間伐材」になるよ。木は育った期間と同じ年数、手入れをすればもっと長く利用できるんだ。
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海外の木材は、運ぶためのお金もエネルギーも必要でしょう。自分たちが暮らす地域の間伐材を使うことは、安くて地球にも優しいと注目を集めているよ。
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間伐材を大切に使うことが、カーボンニュートラルにつながるんだね。
間伐をすると山や海、地球がどう変わるの?
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でも木を切ったら、地球の二酸化炭素が増えないかな?
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切らずに残した木は、どんどん太ってこれまで以上に炭素を吸収し、酸素を生み出すから安心してね。木を植えて増やすことも大切だけど、成長してたくさんの酸素を作り出すには何十年もかかってしまう。だから、今ある森の木の成長を促すことも、地球にとって大切なんだよ。
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間伐をするとほかにもいいことがあるの?
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手入れされていない人工林は、地面に太陽光が届かないんだ。日が届かないと、ほかの植物は育つことができない。間伐で地面に日が届くようになると、さまざま植物が増えて、森が豊かになる。時間をかけて、森をよみがえらせるんだよ。
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豊かで明るくなった森は、動物たちも暮らしやすそうだね。
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それに森と海は繋がっているんだ。森に降った雨がミネラルを蓄えて、川をつたって海へ流れると海も豊かになるよ。海の生きものが増えるのはもちろん、海藻も成長しやすい環境になるんだ。
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海藻が成長するとどうなるの?
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海藻も二酸化炭素を吸収して、酸素を排出しているよ。森や海が豊かになることで、地球に優しい環境へと繋がるんだね。
海のカーボンニュートラルについてはこちらもチェック!
https://hd.saibugas.co.jp/sustainabilitypj/cnlab/article2.html
おわりに
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木を切ることは、よくないことのように思うけれど、間伐で山を手入れし守ることは、私たちの⽣活を守ることなんだね。
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1ha※の人工林を、森本来の姿に戻すのには100年の時間が必要といわれておる。「間伐」は大人たちからにーこちゃんへ、さらにその次の子どもたちへとつなげて、長く続けることが大切じゃよ。
※1haはサッカーコートの1.5倍くらい
NPO法人いとなみでは、皮剥き間伐のワークショップを開催しています。開催情報はFacebookで案内しています。山で皮剥き間伐を体験したり、カフェで間伐材に触れたりして、間伐を身近に感じてみてね。カフェでは、糸島の森でとれた甘夏のジュースも楽しめるよ。
NPO法人いとなみ
Facebook: https://www.facebook.com/npo.itonami
住所:オーガニックカフェ ウインドファーム 今宿店
福岡市西区横浜1丁目9ー40 花ごよみビル 1階